研究者データベース

味八木茂 (ミヤキ シゲル)

        
    医学部 医学科 
  • 教授
Last Updated :2026/08/25

研究者情報

学位

  • 博士(医学)(2004年03月 筑波大学)

科研費研究者番号

  • 10392490

ORCID ID

J-Global ID

研究キーワード

  • 運動器分子生物学、変形性関節症、軟骨代謝、microRNA、エクソソーム、再生医学、腱・靭帯   

研究分野

  • ライフサイエンス / 整形外科学

経歴

  • 2025年05月 - 現在  香川大学医学部教授
  • 2023年06月 - 2025年05月  広島大学病院 未来医療センター特定教授
  • 2011年03月 - 2023年06月  広島大学病院 未来医療センター講師
  • 2009年06月 - 2011年03月  スクリプス研究所Sr. Research Accosiate
  • 2007年07月 - 2009年05月  スクリプス研究所Research Associate
  • 2004年03月 - 2007年06月  国立成育医療研究センター流動研究員

所属学協会

  • 日本分子生物学会   日本解剖学会   老化促進モデルマウス(SAM)学会   日本骨代謝学会   日本再生医療学会   日本軟骨代謝学会   米国整形外科基礎学会(ORS)   国際変形性関節症学会(OARSI)   

研究活動情報

論文

MISC

  • TumdCreノックインマウスの作製とTnmd陽性細胞の系譜解析
    山家 新勢; 吉本 由紀; 樋口 真之輔; 味八木 茂; 宿南 知佐 日本骨代謝学会学術集会プログラム抄録集 39回 143 -143 2021年10月
  • 変形性膝関節症マウスモデルを用いた軟骨下骨の組織学的スコアリングシステムの確立
    柳樂 慶太; 味八木 茂; 生田 祥也; 眞田 洋平; 篠原 正浩; 安達 伸生; 永島 英樹; Lotz Martin 日本整形外科学会雑誌 93 (8) S1949 -S1949 2019年09月
  • 変形性膝関節症マウスモデルを用いた軟骨下骨の組織学的スコアリングシステムの確立
    柳樂 慶太; 真田 洋平; 篠原 正浩; 萩野 浩; 味八木 茂 日本骨代謝学会学術集会プログラム抄録集 37回 229 -229 2019年09月
  • ホメオボックス遺伝子Mkx欠損マウスの骨格筋表現型
    秋本 崇之; 狩野 豊; 中村 一隆; 味八木 茂; 浅原 弘嗣; 牛田 多加志 体力科学 64 (6) 560 -560 2015年12月
  • Stf-083010, the Inhibitor of ER Stress Transducer IRE1, Suppresses Rheumatoid Synovitis
    Soutarou Izumi; Tomoyuki Nakasa; Shigeru Miyaki; Mitsuo Ochi ARTHRITIS & RHEUMATOLOGY 67 2015年10月
  • Bach1ノックアウトマウスは加齢性および実験的変形性関節症の症状を軽減する
    石飛 博之; 味八木 茂; 高田 剛志; 中佐 智幸; 五十嵐 和彦; 越智 光夫 日本抗加齢医学会総会プログラム・抄録集 15回 229 -229 2015年05月
  • Bach1ノックアウトマウスは加齢性および実験的変形性関節症の症状を軽減する
    高田 剛志; 味八木 茂; 石飛 博之; 中佐 智幸; 五十嵐 和彦; 越智 光夫 日本整形外科学会雑誌 88 (8) S1617 -S1617 2014年08月
  • Bach1ノックアウトマウスはHO-1の発現により変形性膝関節症の進行を予防する
    高田 剛志; 味八木 茂; 石飛 博之; 中邑 祥博; 加藤 智弘; 五十嵐 和彦; 越智 光夫 日本整形外科学会雑誌 87 (8) S1398 -S1398 2013年08月
  • CARTILAGE-SPECIFIC MICRORNA-140 REGULATES TISSUE HOMEOSTASIS AND PROTECTS AGAINST OSTEOARTHRITIS-LIKE PATHOLOGY
    S. Miyaki; T. Sato; A. Inoue; S. Otsuki; Y. Ito; S. Yokoyama; Y. Kato; S. Yamashita; T. Nakasa; M. K. Lotz; H. Kudo-Ueno; H. Asahara OSTEOARTHRITIS AND CARTILAGE 18 S37 -S37 2010年10月
  • ストレス誘導性miR-23aはatrogin-1の転写後制御を介して骨格筋萎縮を抑制する
    和田 正吾; 奥津 光晴; 味八木 茂; 鈴木 克彦; 牛田 多加志; 秋本 崇之 体力科学 57 (6) 674 -674 2008年12月
  • 94. メカニカルストレス/筋収縮によるPGC-1αの転写制御(運動器,一般口演,第63回日本体力医学会大会)
    秋本 崇之; 和田 正吾; 相澤 勝治; 味八木 茂; 牛田 多加志 体力科學 57 (6) 679 -679 2008年12月
  • Inhibition of osteoclastogenesis by over expression of microrna-223 in rheumatoid arthritis
    Hayatoshi Shibuya; Tomoyuki Nakasa; Shigeru Miyaki; Masataka Deie; Osami Suzuki; Hiroshi Asahara; Mitsuo Ochi ARTHRITIS AND RHEUMATISM 58 (9) S645 -S645 2008年09月
  • Expression of mir-140 in articular and during chondrogenesis
    Shigeru Miyaki; Tomoyuki Nakasa; Atsushi Inoue; Shawn P. Grogan; Kenta Uchibe; Reiji Higashiyama; Martin K. Lotz; Hiroshi Asahara ARTHRITIS AND RHEUMATISM 58 (9) S648 -S648 2008年09月
  • 105. 膝関節内靭帯に発現する遺伝子の網羅的解析(運動器,第62回日本体力医学会大会)
    秋本 崇之; 槌谷 宏平; 味八木 茂; 浅原 弘嗣; 牛田 多加志 体力科學 56 (6) 631 -631 2007年12月
  • T Akimoto; T Uchida; S Miyaki; H Akaogi; T Tateishi; T Fukubayashi MATERIALS SCIENCE & ENGINEERING C-BIOMIMETIC AND SUPRAMOLECULAR SYSTEMS 24 (3) 387 -389 2004年04月

産業財産権

  • 6762007:変形性関節症予防用組成物、変形性関節症予防用食品組成物、変形性関節症予防用食品添加物及び変形性関節症予防用医薬  

受賞

  • 2010年 Arthritis National Research Foundation, Grant Award
  • 2010年 World Congress on Osteoarthritis (OARSI), Young Investigator Award
  • 2010年 Orthopaedic Research Society (USA), The New Investigator Recognition Award
  • 2009年 Arthritis National Research Foundation (USA), Grant Award

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 椎間板幹・前駆細胞におけるmiR-23による恒常性維持機構の解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2025年04月 -2028年03月 
    代表者 : 滝本 晶; 味八木 茂
  • 人工赤血球を用いた組織灌流保存法の開発
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2025年04月 -2028年03月 
    代表者 : 四宮 陸雄; 酒井 宏水; 味八木 茂; 中佐 智幸
  • レチノイン酸シグナルによる軟骨細胞の分化段階に応じた制御機構の解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2025年04月 -2028年03月 
    代表者 : 内部 健太; 味八木 茂; 宿南 知佐
  • 実験条件最適化AIによるデータ駆動型ケミカルリプログラミング技術の開発
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2024年06月 -2027年03月 
    代表者 : 山西 芳裕; 味八木 茂; 鈴木 淳史
     
    iPS細胞を介さずに目的の臓器の細胞に直接変換するダイレクトリプログラミング(Direct Reprograming (DR))が革新的な再生医療技術として注目されているが、転写因子の遺伝子導入による標準的方法は腫瘍化のリスクがある。本研究では、転写因子の遺伝子導入だけでなく、承認薬や食品成分などの化合物によるDR(ケミカルリプログラミング)を提唱する。その実現に向けて、低分子化合物添加に応答するオミックスデータや分子構造データを解析し、細胞変換を誘導する低分子化合物群やそれらの最適な組み合わせを予測するAIを開発する。低分子化合物の濃度や時間点などの実験条件を区別し、最適な実験条件の組み合わせを見つける最適化アルゴリズムを開発する。さまざまな細胞変換を担うと予測された低分子化合物を実験検証し、効果的な低分子化合物セットを同定する。 まず、転写因子や低分子化合物に関する多階層オミックスデータを整備した。特に、転写因子や低分子化合物がヒト細胞に与える影響を評価するため、ヒト細胞における遺伝子発現プロファイルを解析した。転写因子の遺伝子導入や低分子化合物の添加に関するトランスクリプトームデータは、GEOから得た。転写因子の情報は、ChipAtlas, BRENDA, KEGGなどのデータベースから得た。低分子化合物の濃度や時間点、細胞の違いにおける遺伝子発現パターンのばらつきを解析した。転写因子の遺伝子導入における時間点、細胞の違いにおける遺伝子発現パターンのばらつきを解析した。ダイレクトリプログラミングを誘導することが報告されている低分子化合物の情報を収集して、その作用機序を標的タンパク質や標的パスウェイなどの視点から推定した。学会発表も口頭発表を1件行った。
  • 系統追跡解析を用いた腱板の恒常性維持と治癒における細胞の動態と役割の解析
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2024年04月 -2027年03月 
    代表者 : 原田 洋平; 味八木 茂
     
    本研究の目的は、CreERT2-tdTomatoマウスを用いて、腱板の成熟・加齢および損傷における腱細胞・腱前駆細胞・軟骨細胞の動態と役割を解明することである。 まずはScleraxis(Scx)CreERT2-tdTomatoマウスを作製し、Scx陽性細胞の分布および加齢による変化を解析した。3週齢(未成熟齢:成長期)および9週齢(成熟齢:成獣期)のマウスにタモキシフェン(TAM)を投与することでその時点での陽性細胞を標識し、2週および1年後のScx陽性細胞の分布を解析した。その結果、腱実質部では、成長期および成熟期のいずれにおいても、TAM投与後2週時点でScx陽性細胞の割合が高く、1年後には減少しており、変化率は成長期でより顕著であった。一方、腱付着部ではいずれの時期でもScx陽性細胞の割合が低く、時間経過による大きな変化はなかった。腱実質部でのScx陽性細胞は、成長期での変化率が大きいことから、腱の成熟に関与している可能性が示唆された。 また、10週齢のScx CreERT2-tdTomatoマウスを用い、腱板損傷モデルを作製し、腱板損傷に伴うScx陽性細胞の変化を解析した。腱板損傷前にTAMで標識したモデルでは、損傷部および瘢痕部にScx陽性細胞の集積が認められたが、腱板損傷後にTAMで標識したモデルでは、腱板損傷部に集積を認めなかった。以上より、腱内在Scx陽性細胞は損傷部に集積せず、成体の腱板修復には関与しない可能性が示唆された。
  • 骨壊死症に対する新規治療体系の探索
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2024年04月 -2027年03月 
    代表者 : 庄司 剛士; 味八木 茂; 中佐 智幸
     
    本研究では、複数の遺伝子発現を同時に制御する疾患特異的/修飾的なmicroRNA(miRNA)投与を行うことにより、壊死骨・骨壊死周辺領域の血管形成・骨形成促進作用を介した早期骨修復を促進し、また併せてmiRNAによる遺伝子制御を介した関節内の恒常性維持を図ることで、大腿骨頭の圧潰、また病期進行を抑制する効果が得られることを仮説とし研究を進めている。これまで、大腿骨頭壊死症(ONFH)患者由来の関節液中のmiRNAの発現プロファイルを解析し、ONFHの関節液中では病期、ONFH関連、年齢等に関わらず、miR-210, miR-296, miR-659, let-7cの優位な発現の亢進を認めた。また、ラット骨壊死症モデルを用いたhydroxyapatiteをScaffoldとしたmiRNA-31/210の局所投与群においては、microCT解析において、有意に骨量(BV/TV)と骨梁数の増加を認め、また組織学的評価においても、新生骨形成と血管新生が最も顕著であり、HAの周囲に緻密な新生骨の形成が観察された。毛細血管密度はmiRNA-31/210miR-31の局所投与群において(35.17 vessels//mm2)controlと比較し(12.15 vessels//mm2)有意に高値を示した。
  • 腸を中心とした臓器間ネットワークからの抗老化機能性食品の作用機序の解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2024年04月 -2027年03月 
    代表者 : 松原 主典; 味八木 茂
     
    腸の老化が全身の老化につながることが明らかになってきている。また,腸は他の臓器とネットワークを形成しており,腸の老化がそのネットワークの破綻につながり,各種臓器,そして全身の老化につながると考えられている。抗老化効果を示す機能性食品の作用機序も,この腸を中心とする臓器間ネットワークと関連している可能性がある。本研究ではこの作用機序について検討を進める。 老化の研究には,主に老化促進マウス(SAMP8)を使用しており,抗老化効果を示す機能性食品の腸に対する効果を検討するため,このマウスの加齢による腸の変化を検討している。腸管内分泌細胞について検討した結果,ペプチドYY産生細胞は加齢に伴って減少することが明らかとなった。一方,セロトニン産生細胞については,加齢による明確な変化は認められなかった。また,ソマトスタチン産生細胞やGLP-1産生細胞についてはさらに検討が必要である。パーキンソン病との関係で注目されているドーパミンレセプターD2については,SAMP8においても加齢による変化が起きることが示唆される結果が得られた。また,他系統のマウスと同様に,腸管の形態そのものも加齢によって変化することが確認できた。加齢によって変化する腸管内分泌細胞やドーパミンレセプターが抗老化効果を示す機能性食品の影響を受ける可能性が示唆されたことから,これらの細胞や分子を指標に研究を進めることにより,抗老化効果を示す機能性食品の作用機序解明につながることが期待できる。 発酵食品の抗老化効果が注目されており,特にヨーグルトや納豆に含まれるポリアミンが注目されている。そこで,発酵食品に多く含まれ,ポリアミン合成にも関わる機能成分の抗老化効果をSAMP8への投与で検討した。一定の抗老化効果は確認できたが,その有用性は加齢に伴って変化したことから,代謝物を含めて検討する必要があると考えられた。
  • 骨粗鬆症を介した腰椎椎体終板障害の機能解明および新たな治療戦略の確立
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2024年04月 -2027年03月 
    代表者 : 中前 稔生; 味八木 茂; 亀井 直輔
     
    超高齢社会である我が国において、腰痛の病態解明は喫緊の課題である。我々はこれまでに臨床研究において腰椎椎体終板障害が高齢者の腰痛に強く関与していることを明らかにしてきた。しかしながら、骨粗鬆症などによる椎体の骨密度低下による椎体終板障害に対する影響については未解明な部分が多い。そこで本研究では、椎体終板障害に対する骨粗鬆症の関与について、マウスモデルを用いて明らかにする。 まずは野生型マウスの自然経過について、腰椎の軟骨終板の組織学的評価を行った。それによると、終板の変化は生後3か月から生じ、以後終板の成熟が進行した。軟骨終板においては、軟骨内に小さな骨化を生じ、順次骨化が増大した。これらの軟骨終板の組織学的評価は独自のスコアリングを用いて評価した。 続いて老化促進マウスであるSAMP8を用いて椎体終板の評価を行った。まず、SAMP8ではコントロールであるSAMR1と比べてBMD (bone mineral density) が有意に低値であり、骨粗鬆症マウスとして適切であることを確認した。SAMP8において椎間板組織学的スコアリング(Masuda K, Spine 2005)を検討したところ、SAMR1と比較し有意差を認めなかった。軟骨終板の組織学的スコアリングを行ったところ、椎間板の末梢側の軟骨終板ではSAMP8とSAMR1では有意差を認めなかったが、中枢側の軟骨終板ではSAMR1に比較しSAMP8では有意にスコアリングが低値であり、軟骨終板の成熟は抑制されていた。ただし、検体数が少なく、現在随時検体数を増やし組織学的評価を継続中である。
  • 中枢神経髄鞘形成におけるマイクロRNAクラスターの機能的役割の解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2024年04月 -2027年03月 
    代表者 : 亀井 直輔; 味八木 茂; 中前 稔生
     
    マイクロリボ核酸(miRNA)のうち、miR-23a/bクラスターを構成するmiR-23aとmiR-27aは、中枢神経系におけるミエリン化において異なる役割を果たすことが知られています。しかし、同じクラスター内のmiRNAが補完的に機能する可能性が指摘されているため、クラスター特異的なmiRNAの機能は依然として議論の的となっている。 本研究では、中枢神経の髄鞘特異的にmiR-23a/bクラスターをノックダウンされるマウスし,空間的、時間的に限定したmiR-23a/bクラスターの欠損が髄鞘形成に与える影響を明らかにすることとした。 タモシキフェン投与によりproteolipid protein (PLP) を発現する髄鞘特異的にmiR-23a/bクラスターを欠損させるコンディショナルノックアウトマウス (Plp CreERT2;miR-23a/b cluster) を作製した。生後7日齢あるいは10週齢でタモキシフェンを投与し, それぞれ生後10週齢と12ヶ月齢でのmiR-23a/bクラスター欠損の影響を解析した。またタモキシフェンを投与しなかったマウスをコントロールとして用いた。 コントロールマウスと比較してHanging wire testとBalance beam testにおける運動機能の低下が認められた。また, 電子顕微鏡検査とLuxol Fast Blue染色により, KOマウスの脳と脊髄における髄鞘および脳脊髄白質の形成不全が明らかになった。 これらの結果は、miR-23a/bクラスターが成長と老化におけるミエリン化に重要な影響を与えることを示している。
  • 色情報を用いた軟骨組織評価システムの開発
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2026年03月 
    代表者 : 石川 正和; 渡邉 朋信; 味八木 茂
     
    今年度は分光色差計を用いた軟骨組織の色情報の取得技術と組織切片との比較検討技術を確立するために、比較的容易にサンプルが入手できる、関節鏡視下半月部分切除術時に摘出したヒト半月板組織を使用した(男性10例,女性7例)。色情報として採取した組織片の表面から購入した分光色差計(日本電色工業株式会社製 SE7700)によりL*a*b*値を測定している。また組織を固定後,組織切片を作製し、サフラニンOファストグリン染色及びヘマトキシリンエオジン染色を行い、modified Pauli scoreにより組織学的評価を行った。得られた数値を用いて、色情報と組織の変性度の関連性を調査した。結果として、年齢と組織の変性の程度は正の相関を示していた。また色情報ではL*,a*, b*ともに組織の変性の程度と相関を示したが、臨床の現場で経験しているように、特に黄色味を表すb*が組織変性の程度と最も強い正の相関を示した。さらに、冷凍保存していたサンプルを用いて、グリコサミノグリカン(GAG)の含有量を計測した。GAG含有量と色情報の関係に関しては黄色味を示すb*のみで負の相関を示すことが明らかとなった。以上の結果から、分光色差計によって得られる半月板組織の色情報と組織の変性程度が相関することが明らかとなった。また、半月板組織における重要な糖タンパクの一つであるGAGの低下も色情報から予測できる可能性が示され、色情報の有用性が示されつつあると考えている。
  • miRNAを含むMSC-細胞外小胞による腱修復機構を基盤にした新規治療法の開発
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2026年03月 
    代表者 : 安達 伸生; 味八木 茂; 亀井 直輔; 中佐 智幸; 宿南 知佐; 河崎 陸
     
    腱や靭帯は、運動機能の中心的役割を担うが、分子生物学的な情報は他の運動器に比べて極めて少なく、その治癒を促進する治療法は未だ開発されていない。昨年度までに、遺伝子発現制御ネットワークに重要な因子であるmicroRNA(miRNA)の生成に重要なプロセッシング酵素Dicerを腱・靭帯特異的にノックアウトしたマウスが腱の低形成を示すことを報告した。そして、この表現系に関与する腱組織で高発現しているmiRNAを同定した。本年度は、このmiRNAのノックアウトマウス作製を行った。このノックアウトマウスは、発生過程に大きな異常なく正常に生まれてきており、肉眼的には異常は認められていない。現在、解析に使用するために繁殖中であり、次年度よりノックアウトマウスにおけるアキレス腱の組織学的解析や損傷修復過程における影響について詳細な解析を行う。また、アキレス腱損傷モデルマウスにmiRNAを含む間葉系幹細胞(MSC)-細胞外小胞(EV)を局所投与することで、その治療効果を得られることを明らかにしたが、さらに治療効果を高めるためにコレステロールを末端に修飾したポリエチレングリコールを合成し、それを用いたゲル化EV作製を試みた。そして、このゲル化EVのインジェクタブル性、EVの徐放能を確認し、このゲルから放出されたEVが培養細胞へと取り込まれることを確認した。次年度より、このゲル化MSC-EVをアキレス腱損傷モデルマウスへと投与し、その治療効果について評価を行う予定である。今後、同定したmiRNAを豊富に含んだゲル化MSC-EVをアキレス腱損傷モデルマウスに局所投与し、その治療効果を明らかにするとともに、同定miRNAの腱発生・成熟や修復への役割を遺伝子改変マウスにより明らかにしていく。
  • 変形性関節症における骨棘軟骨を用いた新規軟骨再生医療の確立
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 中佐 智幸; 石川 正和; 味八木 茂
     
    変形性関節症(OA)は軟骨変性により痛みや機能障害を引き起こす。広範囲軟骨欠損の治療法として、正常軟骨を細切して軟骨欠損部に移植する細切軟骨移植(MCI)が期待されているが、進行したOAでは正常軟骨が乏しく、正常軟骨の確保が課題である。本研究では、末期OA患者の骨棘軟骨は軟骨基質を有し、軟骨細胞の増殖能が高く、SOX9等の軟骨特異的遺伝子が発現しており、MCIの細胞源としての可能性が示された。
  • 低酸素下でのみ薬剤を遊離作用可能にしたプロドラッグを用いた骨肉腫治療の開発
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 古田 太輔; 池田 豊; 味八木 茂; 作田 智彦
     
    近年、四肢悪性腫瘍の抗癌剤治療の開発により予後の改善を認めるが、治療抵抗性や重篤な副作用など課題が多い。古典的な抗癌剤に2-ニトロイミダゾール(NIM)を付加することにより、低酸素下でのみ薬剤を遊離して作用するプロドラッグ(Hypoxia-activated prodrugs (HAPs))に注目し、悪性腫瘍の低酸素下部位に薬理作用を発揮し治療効果増強、副作用の軽減が期待できる。骨肉腫において最も重要な薬剤であるdoxorubicin、特に心毒性が問題となっておりdoxorubicinをプロドラッグ化したdoxorubicin prodrugを用いて治療抵抗性の改善、副作用の軽減を検証する。
  • レチノイン酸による骨の形成・維持の制御メカニズムの解明と臨床応用への発展
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 内部 健太; 宿南 知佐; 味八木 茂
     
    本研究では、レチノイン酸シグナルの骨系細胞における機能制御メカニズムを解明することを目的とした分子から個体レベルでの解析、並びに骨折などの関連疾患に対する治療への応用について検討を行った。その結果、未分化細胞から骨芽細胞への分化過程において、レチノイン酸受容体のひとつであるRARγが一定の役割を担う事が明らかとなった。個体レベルにおいては、隣接する軟骨への影響もあるため、空間解析など今後の検証が必要であることが明らかとなった。
  • 関節軟骨維持・再生に関わる骨格幹細胞の同定
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
    研究期間 : 2022年06月 -2024年03月 
    代表者 : 安達 伸生; 味八木 茂; 寺村 岳士; 亀井 直輔; 中佐 智幸
     
    変形性関節症(OA)は、本邦だけでも約2千万人の患者がいる運動器疾患であるが、その発症機構は未だ明らかでないため、根本的な治療法や予防法は確立されていない。新たな治療法の開発のためにも、軟骨を含む関節組織の恒常性維持や修復機構について理解することが重要である。本研究は、関節の維持や修復に関与する骨格幹細胞/軟骨前駆細胞を同定するために、細胞系統解析が可能かつその細胞を除去することでその役割を明確にできる遺伝子改変マウスを作製した。そして、関節組織中における候補骨格幹細胞/軟骨前駆細胞を示したことから、今後これらマウスを用いた研究から新たなOA・軟骨再生治療法の開発に向けた研究成果が期待できる。
  • AIによるデータ駆動型ダイレクトリプログラミングの創生と腫瘍化リスクの回避
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年07月 -2024年03月 
    代表者 : 山西 芳裕; 鈴木 淳史; 味八木 茂
     
    iPS細胞を介さずに目的の臓器の細胞に直接変換するダイレクトリプログラミングが革新的な再生医療技術として注目されている。しかしながら、ダイレクトリプログラミングを誘導する因子セット(転写因子や低分子化合物など)を同定するのは極めて困難である。そこで本研究では、ダイレクトリプログラミングを誘導する転写因子や低分子化合物を予測する情報技術を構築した。さまざまな多階層オミクスデータを基に、細胞の直接変換を誘導する転写因子セットや、それを代替する低分子化合物セットを予測する最適化アルゴリズムを開発した。皮膚線維芽細胞から神経細胞や心筋細胞などへの直接変換において有用性を示した。
  • microRNAを介した腰椎椎体終板障害の機能解明および新たな治療戦略の確立
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 中前 稔生; 味八木 茂; 亀井 直輔
     
    超高齢社会である我が国において、腰痛の病態解明は喫緊の課題である。我々は臨床研究において腰椎椎体終板障害が高齢者の腰痛に強く関与していることを報告している。今回我々は遺伝子発現ネットワークを司るmicroRNA(miRNA)のノックアウトマウスを用いて、miRNAの軟骨終板変性における機能を解析する。 まずは野生型マウス(C57BL6/J)の自然経過において、生後18か月齢までの腰椎の軟骨終板の組織学的評価を行った。それによると、終板の変性は生後3か月齢より生じ、以後終板変性が進行した。軟骨終板においては、軟骨内に小さな骨化を生じ、順次骨化が増大した。また椎間板の末梢側の軟骨終板よりも中枢側の軟骨終板においてより早期に変性を生じ拡大した。これらの軟骨終板の組織学的評価は独自のスコアリングを用いて評価した。 続いて軟骨で発現の高い2種類のmiRNA(miR-23a/b クラスターおよびmiR-26a)のノックアウトマウスを用いての軟骨終板の評価を行った。組織学的所見では、miR-26aのノックアウトマウスでは軟骨終板の変性は進行していたものの、miR-23a/b クラスターのノックアウトマウスでは想定とは異なり、軟骨終板の変性は抑制されていた。ただし、検体数が少なく、現在随時検体数を増やし組織学的評価を継続中である。
  • 切断四肢保存のための人工赤血球灌流療法の開発
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 四宮 陸雄; 酒井 宏水; 味八木 茂; 中佐 智幸
     
    ラットの切断後肢を用いて人工赤血球灌流による骨格筋保存効果を調べるにあたり,令和3年度は自家血を使用した至適灌流条件の検討を行なった. ラット下肢の自己血灌流の現在のプロトコールを示す.雄のラットを麻酔下に全採血を行い,アルブミンを付加したPBSを用いてヘマトクリット10%に希釈し灌流液50mlを作製した.同ラットの左下肢を股関節で離断し,大腿動脈にチューブを留置し,ルートを確保した.血液を貯留するリザーバー,ローラーポンプ,酸素化を行う人工肺,下肢を設置したチャンバー,再度リザーバーへ返血できるように回路を設置した.PBSでプライミングを事前に行い,自家血で置換し,灌流を開始した.リザーバーには,ヘパリン,インスリン,炭酸水素ナトリウム,ブドウ糖を持続で投与した.灌流開始をタイム0とし,12時間の灌流を行った.自己血はローラーポンプにより溶血をきたすため,3時間ごとに他の供血ラットを用意して,同種血の50mlの灌流液で置換した.灌流中は30分ごとに血液ガス分析検査を行い,電解質,酸素化などを調べた.12時間時点でインドシアニングリーンを血液に混和し組織造影をおこなって末梢まで灌流が維持できていることを確認した.下肢は灌流前後の重量を計測し浮腫を評価した.腓腹筋内側頭,前脛骨筋を採取し,液体窒素で冷却したイソペンタン酸につけて凍結し,凍結切片を作製した.先行研究の評価方法に従い,体外灌流により起こりうる損傷を評価した.灌流における他の条件として,灌流速度は1ml/min,灌流温度は常温(実験室温度23-25度)とした. 上記条件にいたるまで,条件設定や技術的な面も含めて試行錯誤したが,現在安定した灌流の遂行が可能となった.この条件が人工赤血球灌流による骨格筋保存効果との対照とするモデルである.
  • シナジー効果を有する化合物群のAI による探索と設計
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 学術変革領域研究(B)
    研究期間 : 2020年10月 -2023年03月 
    代表者 : 山西 芳裕; 天池 一真; 竹下 潤一; 味八木 茂
     
    複数の薬剤の組み合わせによる相乗効果(薬剤シナジー)を活用した化学療法が、がんや神経変性疾患など多因子疾患に対する有効な治療法として注目されている。有機化合物の組み合わせ数は膨大であり、実験的に全ての可能性を検証することは不可能である。本研究では、疾患状態の生体情報を入力とし、シナジー効果を有する薬剤群を予測するAIを開発する。 慢性骨髄性白血病など様々な疾患患者の遺伝子発現プロファイルデータやヒト由来細胞における化合物応答遺伝子発現データをGEO(Gene Expression Obmnibus)から収集して、情報解析できる形に整備した。ネットワーク生物学の技術を駆使し、シグナル伝達、タンパク質間相互作用、遺伝子制御などの生体分子ネットワークのトポロジーを基に、異なる薬剤が影響を及ぼす遺伝子群とシナジー効果の関係を解析した。遺伝子発現プロファイルの視点から、疾患特有の遺伝子発現プロファイルと相関する薬剤の組み合わせを、最適な薬剤の組み合わせの候補として予測する手法のプロトタイプを開発し、その性能を数値的に検証した。その結果、先行研究の手法を大幅に上回る精度を達成することができた。 組合せ最適化などの数理科学を活用し、薬剤や生体分子の組合せ問題の数理モデル化とその理論的解法の開発を行った。薬剤や医薬品以外の化合物データに関しても、ChEMBL, PubChemなどの化学物質データベースのデータを整備した。化合物の化学構造や遺伝子発現プロファイルを基に、新しい化合物の組み合わせを検出する最適化アルゴリズムを実装した。 有機合成に関する知識に基づく分子設計をAIに組み込む方法を開発した。合成のしやすさなども考慮する方法を検討した。さらに設計した分子を迅速に供給するため、周辺化合物を一挙に合成する方法の開発に取り組んだ。
  • 腱・靭帯の分子生物学的情報を基盤とした新たな治療法の開発
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 安達 伸生; 味八木 茂; 亀井 直輔; 石川 正和; 中佐 智幸; 宿南 知佐
     
    腱や靭帯は、分子生物学的な情報は他の運動器に比べて極めて少なく、その治癒を促進する治療法は未だ開発されていない。本研究は、microRNA(miRNA)生成に重要なプロセッシング酵素Dicerを腱・靭帯特異的にノックアウトしたマウスの解析を行い、腱・靭帯におけるDicerの機能解析と腱・靭帯特異的miRNAを探索する。また、同定したmiRNAとMSC由来エクソソームを組合せた新たな治療法の開発を目指すものである。 腱特異的転写因子Scleraxis(Scx)の発現制御領域下にCreリコンビナーゼをノックイン(KI)したScx:CreKI マウスとDicer floxed マウスを交配させ、Dicer cKO マウスを作製した。Dicer floxマウスをコントロール群とし、Dicer cKOマウスにおける腱・靭帯の表現型を肉眼的・組織学的評価、歩行解析、腱破断強度、アキレス腱(AT)組織におけるDicerおよびScxなど各種腱・靭帯関連遺伝子の発現をリアルタイムPCR解析及びRNAシーケンスによる網羅的発現解析を行った。またアキレス腱損傷モデルを作成し、術後4週で組織学的評価を行なった。 その結果、Dicer cKOマウスは、腱・靭帯関連遺伝子の発現低下を認め、ATなどの各腱で肉眼的脆弱性を認めた。ATの組織断面積は、有意に小さく、走査型電子顕微鏡による観察では、コラーゲン線維径の小さい割合が多かった。そして、歩行時における足関節の可動域の増加を認めた。損傷モデルでは、Dicer cKOで軟骨化成などの変性を伴い、修復に異常が生じていた。網羅的発現解析よりコントロール群に比べ発現差が大きく、腱組織で高発現しているmiRNAを同定した。
  • 運動器における幹細胞老化の理解と制御
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 寺村 岳士; 味八木 茂; 小野寺 勇太; 村川 泰裕; 竹原 俊幸
     
    高齢化が急速に進行する中で、加齢性組織変性・疾患とその主因の一つである幹細胞老化を理解し方策を講じることは重要な課題である。筋骨格組織における幹細胞としては筋衛星細胞(Muscular Satellite Cell: MuSC)や間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cell: MSC)が知られており、加齢に伴う細胞数の減少、自己複製能や分化能の低下が知られている。一方、老化研究においては体外培養下での培養細胞の表現系が個体の老化を反映しないため、転写解析、エピジェネティック解析を始め、モデル研究から得られた知見については明確な結論が得られている機序は限られていた。本研究では、ATACseq、NET-CAGEseq、IP質量分析といったオミックス解析を駆使しながら、幹細胞老化の本質となるメカニズムを明らかにすることを目的とする。さらに、新しい遺伝子治療技術SRVなどを取り入れ、加齢性に減少したクロマチン修飾因子、転写活性化因子の補完をはじめとする老化形質の制御法の開発を試みる。 本年度は、老化モデルマウスよりFACSで分離した筋MuSC、骨髄MSCを用いてトランスクリプトーム解析を行った。その結果、加齢MuSCで著しく発現が低下する分子としてNek2を抽出した。モデル細胞を用いた検討において、Nek2がG2期制御と非対称分裂の制御によって幹細胞の自己複製/分化の制御に関わっており、老化筋組織ではその調節が破綻している可能性を見出した。 また、昨年度までに申請者らが報告した炎症メディエターMAP3KであるTAK1と相互作用する分子をIP質量分析にて検索し、核内タンパク質Lyarを同定した。Lyarは老化骨髄MSCで発現が低下しており、トランスクリプトーム解析の結果、Lyarの機能は脂肪分化制御にあることを発見している。モデル細胞を用いた解析により、Lyarの減少は脂肪分化の促進をもたらすことが明らかとなり、老化骨髄でみられる脂肪組織蓄積を引き起こしうる新たな分子機序が示された。
  • 腸でのアミロイド形成抑制を介した抗老化食品機能成分の新規作用機構の解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 松原 主典; 味八木 茂
     
    老化促進マウスを老化現象が顕著となる約10ヶ月齢まで飼育し,腸・脳・膝など各種臓器を回収した。腸における変性タンパク質の沈着について,アミロイド形成タンパク質の一種であるトランスサイレチン(TTR)に対する抗体を用いて免疫組織染色法により検討した。その結果,加齢に伴い腸組織でのTTR染色は強まることが明らかとなった。一方,コンゴレッド染色法で強く染まるアミロイドの形成は確認できなかった。したがって,10ヶ月齢の老化促進マウスでは,加齢に伴う腸での変性タンパク質の蓄積は起こるが,アミロイドの形成までは起きないことが示唆された。次に,腸での炎症について検討した結果,炎症細胞の浸潤が見られた上,酸化タンパク質も増加していたことから,腸での炎症による酸化ストレスの増加がタンパク質の変性および沈着に関与することが明らかとなった。また,脳のTTR免疫組織染色でもTTRの沈着が見られたことから,腸でのTTR変性と脳でのTTRの沈着には関連性が示唆された。運動器との関係性については検討を進めている段階である。 発酵食品を摂取させた老化促進マウスでは,老化による外観の変化が抑制され,行動試験でもその有効性が示された。また,対照群よりも糞中IgA量が多いことから,腸内環境に何らかの影響を与え,それが老化の進行を抑制した可能性が示された。投与終了後,腸および脳を回収し,両臓器での変性タンパク質の蓄積やアミロイド形成について検討を進めるとともに運動器についても検討する。
  • マイクロニードルアレイシートを用いた軟骨再生医療の開発
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 石川 正和; 味八木 茂; 中佐 智幸; 亀井 豪器
     
    本研究では、マイクロニードルアレイシートを用いた軟骨移植およびドラッグデリバリーによる軟骨再生治療の開発を目指している。日本で唯一保険収載されている軟骨再生医療の自家培養軟骨移植術でも、移植部周囲へのコラーゲン膜の縫合が必要であり、軟骨への侵襲と手技の煩雑さが課題である。そこで無痛針技術のマイクロニードルを配列した被覆シート(マイクロニードルアレイシート)を軟骨に直接貼付、固定可能な技術開発を目指している。2020年度はマイクロニードルアレイシートの関節内への貼付とその実現可能性と組織修復及び炎症反応の評価を目指した。開発中のマイクロニードルアレイシートが白色家兎関節内へ移植できるサイズで作製することが困難であったため、軟部組織を用いて、その固定状態の観察を行った。マイクロニードルは高さ700マイクロメートル未満であり、直径100-150マイクロメートルのものを使用した。軟部組織への貼付により、強固な固定は困難であったが、ある程度の固定ができることは確認できた。一方、マイクロニードルの破損や刺入できていないものが散見された。今後はマイクロニードルの高さや密度を変更し、その固定性と強度を確認する予定である。細切軟骨組織と被覆材の検討として、白色家兎大腿骨滑車部骨軟骨欠損モデルを作製し、細切軟骨組織に医療用被覆材として既に臨床で使用されているPGA(ポリグリコール酸)シートを併用し、炎症反応、組織修復像の評価を開始している。
  • 変形性関節症における老化細胞エクソソームの解明と機械学習を利用した治療薬の探索
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 味八木 茂; 眞田 洋平; 山西 芳裕; 中佐 智幸
     
    本研究は、変形性関節症(OA)は老化細胞から分泌するmiRNAを含むエクソソームによる組織恒常性ネットワークの破綻と関係するという仮説のもと、関節恒常性維持に関わる骨髄間葉系幹細胞(MSC)、軟骨細胞由来エクソソームを解析し、老化細胞由来のmiRNAを含むエクソソームとOAの関係を探索する。 現在、抗がん剤の一種であるdoxorubicin処理により骨髄間葉系幹細胞(MSC)及び軟骨細胞に細胞老化を誘導し、細胞老化マーカーなどの遺伝子発現やエクソソーム分泌量の変化などについて調べた。さらに、エクソソーム内のmiRNAがOAに関与しているかについて解析を行うために遺伝子改変マウスを用いて解析している。関節軟骨細胞より分泌しているエクソソームmiRNAのトップ2である2種類のmiRNAの全身もしくは軟骨特異的KOマウス及び過剰発現マウスの自然加齢モデルとOA誘導モデルによりOA発症の有無や程度を病理組織学的に解析した。その結果、これらマウスの膝関節における顕著な病理組織学的変化は観察されなかった。さらに、in silicoドラックリポジショニングのために、正例となる候補薬についてOA抑制効果を示すことが報告されている老化細胞除去薬や抗老化・抗酸化関連の化合物など(10種)を老化促進マウスへ投与し、病理組織学的解析を行った。そして、軟骨細胞におけるその薬物応答遺伝子発現解析をRNA-Seqを用いて行い、自前の薬剤応答遺伝子発現データとした。
  • MSC由来エクソソームを用いた新たなデリバリーシステムと骨肉腫治療の開発
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 古田 太輔; 久保 忠彦; 味八木 茂; 安達 伸生
     
    近年、四肢悪性腫瘍の抗癌剤治療の開発により予後の改善を認めるが、抵抗性や重篤な副作用など課題が多く新たな治療開発が切望される。一方で間葉系胚細胞(Mesenchymal stem cell; 以下MSC)の組織障害・悪性腫瘍部へ遊走(homing)する機能を利用し標的細胞に抗腫瘍効果因子を付加し運搬するデリバリーシステムの報告が散見される。しかし近年、MSC移植された細胞は数%程度しか生着できず、悪影響を及ぼすことも懸念され、細胞から放出される液性因子が注目されている。その液性因子の一つであるエクソソームは細胞間コミュニケーションに関与する微小胞体であり、MSCから放出されるエクソソームにもhoming効果の可能性が期待されているが機能は不明である。我々はMSC由来エクソソームのhoming効果の可能性を明らかにし、四肢悪性骨腫瘍に対して抗腫瘍効果のあるmiRNAを運搬する新たなデリバリーシステムの開発を計画し,実験を開始した。MSC由来エクソソームに蛍光標識を付けて骨肉腫モデルマウスに静脈注射した24時間後にin vivo 蛍光イメージング(IVIS)で評価を行い、最初は腫瘍に集積を示すデータを得たが、現在は再現性に乏しい状態である。しかしMSC由来エクソソームにmiRNA143を過剰に含有させたものとコントロール(miRNA143過剰含有無し)を骨肉腫モデルに投与した。24時間後にsacrificeして骨肉腫瘍内、肝臓、肺、腎臓のmiRNA143をPCRにて定量評価した。するとコントロール群(N=3)と比較してmiRNA143含有MSCエクソソーム投与群(N=3)を比較すると骨肉腫腫瘍内のみが、コントロールと比較して2倍量を示し、その他の臓器は差を認めなかった。MSCエクソソームがhoming機能を有していることを解明し、骨肉腫治療の開発を行う。
  • 大腿骨頭壊死症に対するmicroRNAを診断マーカーとした新たな診断法の確立
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 庄司 剛士; 味八木 茂; 中佐 智幸
     
    本研究は、特発性大腿骨頭壊死症(ONFH)患者における血清中、また組織液(関節液)において疾患特異的なmiRNAを同定することにより、本症に対するmiRNAを診断マーカーとした新たな、より効果的な診断法を確立することである。本研究では以下の3課題を実施する。 1)ONFH患者由来血清、股関節における関節液中の疾患特異的miRNAの同定 2)ONFHにおける疾患関連因子とmiRNAの関連との検討 3)血清、組織液におけるエクソソーム中のmiRNAの解析、ならびに組織、細胞分布の同定 ステロイド性骨壊死症と関連の強いmiRNAの発現プロファイルを解析するため、1-1. ONFH患者由来の血清、股関節における関節液中のmiRNA発現の網羅的解析(マイクロアレー)、また1-2. アレーデータより着目したmiRNAの発現解析の為, ONFH患者、また非ONFH患者における血清、また関節液中におけるreal time PCR法を用いたmiRNAの定量化を行った。1-1.ではステロイド薬(プレドニン換算≧15mg/日)の内服歴があるステロイド関連ONFH患者、また変形性股関節症患者から得られた血清、また関節液からRNAを精製し、マイクロアレー法を用いたmiRNAの網羅的発現解析を行った。このうち発現が促進、また抑制されている数種類のmiRNAの発現に注目し、ステロイド関連ONFH患者, アルコール関連ONFH患者, 狭義の特発性ONFH患者、また変形性股関節症患者のそれぞれ血清、関節液を用いて各miRNA のreal time PCR法を用いた定量化を行った。 しかし、当初我々が考えていたmiRNAの候補からは有意な差が出るまでのデータが得られなかったため、患者による個体差を考慮し再度網羅的解析を行い、これまでに得られた結果と併せ、新たなmiRNA候補の定量化、また解析を試みている。
  • Systems Bone Biology~骨・軟骨疾患の発症予測から疾患予防へ
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2018年07月 -2021年03月 
    代表者 : 篠原 正浩; 味八木 茂; 岩見 真吾; 野下 浩司
     
    骨・軟骨組織は身体支持組織として重要な役割を果たすため、骨粗鬆症や変形性関節症といった骨・軟骨組織の疾患は要介護に陥る大きな要因となっている。本研究では骨・軟骨研究者と数理科学研究者からなる異分野融合型チームを編成し、疾患発症過程における血中の骨・軟骨代謝マーカーや骨微細構造の変動に着目した数理科学的解析や画像解析を実施し、骨粗鬆症や変形性関節症の発症予測や早期診断を可能にするシステムを構築した。
  • 神経ペプチドを標的とした変形性関節症の新規治療戦略策定に向けた分子機序解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2018年04月 -2021年03月 
    代表者 : 中佐 智幸; 安達 伸生; 味八木 茂; 石川 正和
     
    変形性関節症(OA)での軟骨下骨の骨硬化や、半月板、靭帯等の関節構成組織の変性をきたす因子として神経ペプチドに着目した。神経ペプチドは疼痛だけではなく、骨代謝等の多様な機能を持つ。神経ペプチドとしてCGRP、VIP、substance Pについて、ヒトOA組織とOAマウスでの発現を調べたところ、これらは軟骨下骨の骨硬化とともに発現が上昇していた。OAマウスへのCGRP、VIP受容体拮抗薬、substance P受容体作動薬の腹腔内投与により、OA進行が抑制された。また、OAマウスの血清を用いてmicroRNAのRNA sequenceを行い、OAの発症に伴い変動するmicroRNAを同定した。
  • 関節軟骨片とmicroRNA・エクソソームを用いた新規関節軟骨治療の開発
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 安達 伸生; 味八木 茂; 石川 正和; 中佐 智幸
     
    広範囲軟骨欠損に対して自家培養軟骨細胞移植術(ACI)が行われるが、軟骨細胞を単離・培養するため、2段階手術が必要である。本研究では、細切軟骨片をアテロコラーゲンゲルに包埋し移植する一期的な軟骨修復治療の開発を目的とした。3週間の培養後、細切軟骨片を包埋した群が、単離した軟骨細胞群より、ゲル内に遊走・増殖した細胞が有意に多く、GAGの含有量も多かった。細切軟骨片の培養液には、骨形成や軟骨分化に促進的に働くmicroRNAが多く含まれていた。家兎の大腿骨滑車部に骨軟骨欠損部を作製し、細切軟骨片移植の軟骨修復効果を検討したところ、従来のACIと同等以上に軟骨・軟骨下骨修復が得られていた。
  • トランスサイレチンに起因するアミロイド形成を阻害する食品機能成分の抗老化作用
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 松原 主典; 味八木 茂
     
    加齢に伴う疾病の原因となるアミロイドの形成を抑制することは,老化の進行を抑制し,健康寿命の延伸に重要である。そこで,アミロイド形成タンパク質の一つであるトランスサイレチン(TTR)を安定化する食品機能成分の探索を行った。その結果,複数のポリフェノール類およびその代謝物がTTR安定化作用を持つことを見出した。これらの成分の幾つかを老化促進マウスに経口投与し,脳機能保護効果と変形性膝関節症予防効果を検討した。その結果,ローズマリーのカルノシン酸(CA)が脳機能保護効果を示した。また,脳内でのTTR沈着を抑制する機能成分も見出した。
  • 小胞体ストレスセンサーOASISを介した脊髄損傷後グリオーシス機構の解明と制御
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2017年04月 -2020年03月 
    代表者 : 亀井 直輔; 味八木 茂; 安達 伸生; 石川 正和
     
    マウス脊髄損傷モデルに対するOASISのsiRNA投与による一時的なOASISの発現抑制によって、損傷後のグリオーシスが抑制され、脊髄機能回復が抑制されることが明らかとなった。また、損傷部周囲に集積したアストロサイトにおいてOASISの発現上昇を認めた。 一方、持続的なOASIS欠損の影響を評価するためにOASISノックアウトマウス用いた。野生型マウスと比べてOASISノックアウトマウスで損傷7日以降の後肢運動機能の改善が有意に高かった。組織学的評価の結果から、OASISを介した小胞体ストレス応答はアストログリオーシスには関係しないが、その後のグリア瘢痕形成に強く関係していることが示唆された。
  • microRNAによる腱・靭帯成熟機構の解明と靭帯特異的分子の探索
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    研究期間 : 2016年04月 -2018年03月 
    代表者 : 味八木 茂; 宿南 知佐
     
    本研究は、遺伝子発現の制御因子であるmicroRNA(miRNA)の腱・靭帯発生および成熟機構を遺伝子改変マウスの解析を通して明らかにすることを目的とした。マウスのアキレス腱組織および細胞由来のRNAを用いてmiRNAの発現プロファイルを行い、腱で高発現しているmiRNAを把握した。Scleraxis-Cre KI:Dicer floxマウスの解析により腱・靭帯特異的にDicerをノックアウトしたマウスは、腱・靭帯の成熟や修復機構に異常が認められ、これら機構へのmiRNAの関与が示唆された。
  • ExosomeによるOA早期マーカー探索と運動・栄養効果のモニタリング指標の確立
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2016年04月 -2018年03月 
    代表者 : 石飛 博之; 味八木 茂
     
    変形性関節症(OA)に対し、ハーブなどに含まれるカルノシン酸(CA)の効果をヒト滑膜・軟骨細胞を用いて検討した。CAはヒト滑膜・軟骨細胞において抗酸化酵素HO-1を活性化させ、さらに軟骨分解酵素などのOA関連遺伝子の発現を抑制した。CAが軟骨細胞においてOA様の変化を抑制する分子機構として、CAは軟骨恒常性を維持するmiR-140を活性化し、Bach1遺伝子の発現を抑制することでHO-1を活性化させることを見出した。今後、CAの効果をマウスレベルで検討することはOA予防に繋がることが期待される。
  • 新規情報伝達因子エクソソームによる変形性関節症治療と診断への展開とその機能解析
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 味八木 茂; 加藤 義雄; 石川 正和
     
    本研究は、変形性関節症(OA)におけるmicroRNA (miRNA) を含むエクソソームに注目した。OAモデルマウスへの目的miRNAを過剰導入したMSCエクソソームの投与は、OA抑制効果を示した。また、間葉系幹細胞、軟骨細胞(正常とOA)細胞およびエクソソーム中のmiRNAプロファイルや糖鎖は、細胞種および正常と疾患由来で顕著な違いが認められた。そして、正常軟骨細胞内で高発現および高分泌している数種のmiRNAは、OA軟骨細胞内および分泌型miRNAとしても低下していた。さらに、この軟骨細胞より分泌しているエクソソームは、関節組織を構成している細胞に影響を及ぼすことが明らかになった。
  • 骨壊死に対するmiRNA導入骨髄単核球移植による骨修復促進効果
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2015年04月 -2018年03月 
    代表者 : 山崎 琢磨; 味八木 茂; 庄司 剛士
     
    ステロイド関連骨壊死患者から採取した骨髄にはmiR-31, miR-34a, miR-146, miR-210, miR-218が高発現していた。同定された各miRNAを添加した骨分化誘導培地を用いた骨髄細胞培養では、いずれもcollagen type 1A1の高発現を認め、miR-34a以外のmiRNAではRunx 2の高発現も認めた。また、各miRNAをラット偽関節モデルに投与し、micro CTを用いたX線学的評価により、骨形成能を促進させることが示唆された。適切なmiRNAの導入により移植細胞自身および分泌するmiRNAなどの因子も加わり、骨修復の促進効果が得られる可能性が示唆された。
  • 血管新生抑制作用とオートファジー活性化作用を持つ食品機能成分の老齢疾患予防効果
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 松原 主典; 味八木 茂
     
    血管新生抑制作用を有する食品機能成分について、オートファジー活性化作用を神経細胞株と軟骨細胞で検討した結果、ローズマリーに含まれるカルノシン酸とブロッコリースプラウトに多いスルフォラファンがオートファジー活性化作用を示すことを見出した。カルノシン酸を老化促進マウスに長期間経口投与し、加齢に伴う各種臓器の機能低下への影響を検討した。その結果、カルノシン酸摂取群は記憶学習機能が維持されていた。また、生存率も対照群より高い上、肝臓・腎臓などの機能も維持されていたことが明らかとなった。その分子レベルでの作用機構として、長寿と関連している転写因子FoxO3aの活性化が関与していることを明らかにした。
  • 光を用いた離断性骨軟骨炎に対する新たな画像診断システムの開発
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 石川 正和; 越智 光夫; 近江 雅人; 安達 伸生; 味八木 茂; 中佐 智幸
     
    光干渉断層計(optical coherence tomography: OCT)システムを用いて3次元培養した軟骨細胞、マウス変形性膝関節症モデルから得られたサンプルで画像解析を行った。また、得られたOCT画像を開発したソフトウェアを用いて解析し、OCT値の定量的評価を行った。3次元培養軟骨細胞のOCT画像と組織染色の比較から軟骨基質の有無をOCT画像で判定できることが示された。マウス変形性膝関節症モデルのOCT画像からは変性の程度をOCT画像により定量的に評価できることが示された。 今後、光干渉断層計は関節軟骨の非接触かつリアルタイム定量評価を可能とする技術になると考える。
  • 新規情報伝達因子エクソソームによる変形性関節症治療と診断への展開とその機能解析(国際共同研究強化)
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
    研究期間 : 2016年 -2017年 
    代表者 : 味八木 茂
     
    本研究は、ヒト膝関節の病理組織学的解析および遺伝子発現解析より、正常関節軟骨と初期OA、後期OAに分類し、軟骨細胞また培養上清中のエクソソーム中のmiRNAの発現解析を行った。正常関節軟骨細胞内で高発現および高分泌していた数種のmiRNAは、OA軟骨内および分泌型miRNAともに低下していた。この中の1つのmiRNAについて軟骨特異的に過剰発現させるマウスを作製し、OAに対する影響について解析中である。また、このmiRNAの発現は、老化関連転写因子やSOX9によって制御されており、またいくつかの標的候補遺伝子も同定した。
  • マイクロRNAと磁気ターゲッティングを併用した難治性骨折の治療戦略
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    研究期間 : 2014年04月 -2016年03月 
    代表者 : 越智 光夫; 味八木 茂; 亀井 直輔; 中佐 智幸
     
    偽関節等の難治性骨折はしばしば治療に難渋する。microRNA(miRNA)は様々な生命現象に重要な役割を担っており、疾患の病態にも関与している。本研究は、骨形成を促進するmiRNAを同定し、難治性骨折モデル動物に合成miRNAを磁気ターゲッティングと併用することにより骨癒合を促進することを目的とした。 ヒト骨髄間葉系幹細胞(hMSC)を骨分化誘導し、分化前後で発現変動するmiRNAを網羅的に解析し、microRNA-222 (miR-222)を抑制すると骨分化が促進することがわかった。miR-222 inhibitorを、ラット難治性骨折モデルに局所注射したところ、骨形成が促進されていた。
  • 新規細胞間コミュニケーション因子であるエクソソームによる組織再生機構の解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 越智 光夫; 安達 伸生; 味八木 茂; 亀井 直輔; 中佐 智幸
     
    本研究は、エクソソームが、組織修復および移植治療に効果のある間葉系幹細胞(MSC)から分泌されることが組織再生に重要であるという新たなメカニズムの解明を目的とした。エクソソーム構成分子のKOマウスを用いた損傷モデルでは、組織修復が遅延するが、MSCエクソソームの局所投与によりその遅延から回復することや細胞分化の促進や血管新生を介して目的組織修復を促進させた。このメカニズムの一つとして、組織再生関連のサイトカインだけでなくMSCエクソソーム中のmiRNAの関与が示唆された。以上のことから本研究によりmiRNAを含んだエクソソームによる組織再生の新たな機構の解明と臨床応用への可能性が示された。
  • 運動器損傷に対する血管新生および組織特異的マイクロRNAによる新規治療開発
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 亀井 直輔; 越智 光夫; 味八木 茂; 中佐 智幸; 石川 正和
     
    脊髄損傷モデルに対するmiR-210の投与では、損傷後早期の損傷部での血管新生が促進され、それに引き続いておこるグリオーシスも促進されて、運動機能の回復が改善した。また同モデルに対するmiR-145の投与では、運動機能が改善し、ターゲット遺伝子候補の一つであるセマフォリン3Aの発現が抑制されていた。半月板損傷モデルに対するmiR-210投与では損傷半月板にmiR-210が取り込まれ、半月板の修復が促進されていた。ラットアキレス腱損傷モデルに対するmiR-210の投与では、最終の腱の修復にコントロール群との差はなかったが、miR-210投与群では早期にアキレス腱が修復されていた。
  • Bach1により制御される関節軟骨保護機構の解明とZFPによる新規治療法の開発
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    研究期間 : 2013年04月 -2015年03月 
    代表者 : 味八木 茂; 中佐 智幸; 加藤 義雄
     
    変形性関節症(OA)は、加齢や酸化ストレスなどに起因している。抗酸化物質であるヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)は、加齢に伴い関節軟骨で発現が減少していた。しかし、HO-1の転写抑制因子であるBach1の欠損マウスは、加齢マウスの関節軟骨でHO-1が高発現しており、野生型マウスに比べて有意に関節組織におけるOA様変化を軽減していた。そして、Bach1の欠損マウスはオートファジー活性とSOD2の発現が維持されており、HO-1を介してSOD2の発現や酸化ストレスからアポトーシスの抑制に関与していた。それゆえ、HO-1の関節軟骨での誘導は、OA予防に有用であることを示唆した。
  • 分泌型マイクロRNAによる血管新生を基軸とした運動器損傷の新たな治療戦略
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 中佐 智幸; 越智 光夫; 味八木 茂; 亀井 直輔
     
    組織修復に重要な血管新生を促進するmicroRNA(miRNA)の運動器疾患に対する治療効果を検討した。特に細胞から分泌させるmiRNAに注目した。健常人より採取した末梢血単核球を低酸素培養し、分泌されたmiRNAをマイクロアレイにより網羅的に解析し特異的発現パターンを示すmiRNAを同定した。これらのmiRNAを線維芽細胞に過剰発現させたところ、有意に細胞増殖が亢進した。また、ラットを用いて腱損傷、難治性骨折、半月板損傷の動物モデルを作製し、血管新生促進作用を有するmiRNAを投与したところ、いずれの動物モデルも良好な治療効果を示した。
  • miRNAを含むエクソソームを用いた骨腫瘍治療への応用
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 下瀬 省二; 越智 光夫; 久保 忠彦; 味八木 茂
     
    ヒト骨肉腫細胞株(143B)の増殖抑制または転移を抑制するようなmiRNA に注目し、微小胞であるエクソソームに包まれて細胞外に放出される分泌型のエクソソームフォームmiRNAを利用することで治療に応用することを目的とした。間葉系幹細胞へ合成 miR-143 を導入すると培養上清中にエクソソームフォームのmiR-143 として放出し、143Bに容易に毒性なく取込まれ、細胞遊走能を抑制することを明らかにした。骨肉腫細胞に対して有効な miRNA のデリバリーツールとしてエクソソームフォームmiRNAは、新たな治療法の開発に向けた可能性を示唆した。
  • 変形性関節症における新規関節内コミュニケーション因子としての分泌マイクロRNA
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(A)
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 味八木 茂
     
    IL-1β刺激により滑膜細胞由来のエクソソームは、その分泌量を増加させ、関節軟骨細胞に対して変形性関節症様の変化や血管新生を誘導した。そして、IL-1β刺激によりエクソソーム内のmiRNAの種類や量が変化していたことから、サイトカインのような確立された細胞間伝達機構だけでなくmiRNAを含むエクソソームが新たな組織間コミュニケーション因子として異なる細胞間や組織間に作用してOA発症に関わっている可能性が示唆された。また、間葉系幹細胞由来のエクソソームは組織修復を促進することから、miRNAを含むエクソソームは変形性関節症の治療や組織再生への応用につながると考えられる。
  • 脱細胞化組織と末梢血単核球およびマイクロRNAを用いた関節軟骨再生
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    研究期間 : 2012年04月 -2014年03月 
    代表者 : 越智 光夫; 味八木 茂; 亀井 直輔; 中佐 智幸
     
    末梢血単核球から軟骨細胞を誘導し、脱細胞化軟骨組織と組み合わせる、あるいは軟骨分化に促進的に働くmicroRNA(miRNA)と併用することで、軟骨組織を作製することを目的とした。末梢血単核球をペレット培養し、軟骨分化を試みたが、ペレット培養が困難であった。直径2mmのラット骨軟骨柱を、2%SDSを用いて脱細胞化を行った。12時間で、軟骨基質をある程度保ったまま脱細胞化できていたが、DNAが完全に除去できていなかった。次に、軟骨細胞シートから分泌されるmiRNAを解析した。軟骨細胞シートから、骨・軟骨分化に重要なmiRNAが多く分泌されていることがわかった。
  • 四肢前後軸を形成する転写ネットワークの解析
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2010年04月 -2013年03月 
    代表者 : 横山 成俊; 淺原 弘嗣; 五十嵐 ありさ; 味八木 茂
     
    多指症を含む四肢の形成疾患は、ヒトでは1000人に一人といった高頻度で生じ、ヒトの先天性疾患としては最も報告例の多い疾患である。現在までに多指症として221の症候群が報告されているが、原因遺伝子として記載されているのはわずかに15遺伝子のみであり、さらなる研究の進展が望まれている。 我々はヒト多指症の原因遺伝子の候補としてIrx3に注目し、マウス胚を用いて解析を行った。Irx3ノックアウトマウスを作製し、その表現型を調べたところ、後肢特異的に多指を生じることが明らかになった。ここで観察された多肢形成の様式には、親指の前側に第一指様の多肢を生じるパターンと第二指様の多肢を生じるパターンの2つが同程度の割合で混在していた。 次にこれまでに前後軸形成に関わることが知られている遺伝子についてqRT-PCR法を用いて解析を行ったところ、Irx3ノックアウトマウスにおいては、Alx4の発現量が半分程度に減少しており、またFGF4、Gremlin、dHand、Ptch1、Hoxd13、Hoxd10などの遺伝子について発現量が増加していることを明らかにした。Alx4は軸前多肢変異マウス(Strong's luxoid)の原因遺伝子であり、Alx4ヘテロマウスでは、後肢特異的に軸前多肢(第二指様)を生じることが知られている。 In situハイブリダイゼーション法を用いてこれらの遺伝子の発現領域の変化を調べたところ、Shhについては、一部の肢芽において、前側領域に異所的に発現していることを確認した。またFGF4、Gremlinについてもその発現領域が前側まで拡大していることが確認できた。 以上の研究結果を総合すると、新規転写因子Irx3は四肢前後軸形成に必須の分子ネットワークの一部を構成しており、またヒトの多指症の原因遺伝子の一つとなっている可能性を明らかにした。
  • 腱・靭帯の発生・再生メカニズムの解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    研究期間 : 2010年 -2011年 
    代表者 : 淺原 弘嗣; 味八木 茂; 伊藤 義晃
     
    腱・靭帯は、運動機能に必須の結合組織であり、その発生・再生メカニズムの解明は、これら組織が再生困難な組織であることから、整形外科分野において重要な課題の1つとなっている。我々は、腱・靭帯で特異的に発現する転写因子としてMkxを同定した。このMkxのノックアウトマウスを作製し、生体内における機能を解析した結果、Mkxノックアウトマウスでは、腱が低形成になり、腱の主要成分であるI型コラーゲンが低下していることが分かり、Mkxが腱形成に重要な遺伝子であることを明らかにした。また、Mkxの上流・下流遺伝子のスクリーニングを行い、その候補遺伝子を同定した。これらの研究成果は、腱の分化メカニズムの解明につながり、腱損傷やエーラスダンロス症候群などの治療・診断の開発に重要な知見を提示する。
  • 軟骨発生におけるノンコーディングRNAの機能解析
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 淺原 弘嗣; 味八木 茂; 工藤 寛枝; 佐藤 天平
     
    我々は、miRNA-140(miR-140)が軟骨特異的に発現することを見出した。さらに、miR-140ノックアウトマウス、トランスジェニックマウスを作成し、miR-140が関節炎の抑制に重要であることを示した。また、miR-140がMMPsやAdamts-5の発現を抑制することを見出した。これらの成果は、miRNAをターゲットとした新しい関節炎治療の可能性を示唆している。
  • 腱の発生・再生に関わるホメオボックス遺伝子Mohawkの機能解析
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    研究期間 : 2007年 -2009年 
    代表者 : 浅原 弘嗣; 工藤 寛枝; 味八木 茂; 浅原 弘嗣
     
    骨格を機能的につなぎ、可動させる組織として、靭帯および靭帯を構成する細胞は、生物学的にも非常に興味深い対象であり、かつ医学的にも、肩腱板、上腕骨外側上顆、アキレス腱などの炎症および断裂の治療面から見ても重要な組織であるにもかかわらず、腱や靭帯の組織形成の分子機構に関しては解明されていない。また、四肢腱形成の分子機構に焦点を当てた近年の研究から、筋、軟骨、外胚葉などと間充織との組織間相互作用が腱特異的遺伝子発現を制御することが明らかになりつつある。しかし、これまで報告されている腱関連遺伝子が腱の発生・分化、および再生機構で果たす役割は未解明の部分が多い。我々はマウス胚のin situハイブリダイゼーションによって、腱で特異的に発現し、多くの動物のボディプランに係る制御的遺伝子に共通して見られるホメオドメインをもつホメオボックス遺伝子'Mohawk'を見いだした。さらに、Mohawk欠損マウスを作製し、その表現型を解析したところ、Mohawk欠損マウスでは腱の分化が阻害されていることが分かり、また、腱の主要成分であるタイプIコラーゲンの遺伝子発現がMohawkによって制御されることを見いだした。以上よりMohawkが腱の成熟に必須の機能をもつことが明らかとなった。この成果は腱の再生・修復やエラースダンロス症候群などの病態解明に役立つことが期待される。
  • 核内蛋白質のクロマティン因子および成長因子としての内軟骨性骨化における役割の解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 特定領域研究
    研究期間 : 2006年 -2007年 
    代表者 : 淺原 弘嗣; 味八木 茂; 橋本 徳; 工藤 寛枝
     
    Runx2は未分化間葉系細胞の骨芽細胞への分化,骨芽細胞の増殖,I型コラーゲンなどの骨基質の産生などに必須の役割を果たす転写因子である。Runx2は分化の早い段階から石灰化にいたるまで常に発現しており,その間発現量はあまり変化しないことから,分化の各ステージにおける標的遺伝子の発現制御にはRunx2と協調して働くコファクターの存在が重要であると考えられている。本研究ではRunx2による転写を制御する転写コアクティベーターを,6xOSE2(osteoblast specific element)レポーターを用いて,ヒト全長cDNAライブラリ約10,000遺伝子からスクリーニングした。スクリーニングには,ハイスループットで細胞べースのトランスフェクションアッセイを行う系を構築した。その結果,Runx2の活性をあげる転写コファクターが同定された。さらに,その転写コファクターの骨形成における役割をノックアウトマウスによって解析したところ,ノックアウトマウスでは骨形成の遅延,阻害がみられた。これらより,Runx2の新たな制御機構が発見された。今後さらにこの遺伝子の機能を明らかにすることで,骨関節疾患の病態解明および新規治療薬の開発に役立つことが期待される.
  • 新規Znフィンガープロテインの機能解析による軟骨発生・分化のメカニズムの解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 萌芽研究
    研究期間 : 2005年 -2007年 
    代表者 : 浅原 弘嗣; 味八木 茂; 橋本 徳; 工藤 寛枝
     
    前年度までに我々は、前駆軟骨細胞株ATDC5を用いたDNAマイクロアレイによる解析と、マウス胚における網羅的なホールマウントin situハイブリダイゼーションにより、軟骨組織の分化に関わる転写因子、転写コファクターの同定を行ってきた。その中で、四肢、肝臓に強く発現する新規のZinc fingerモチーフを持った転写制御因子の可能性がある遺伝子を同定した。平成19年度は、これら四肢発生時に特異的に発現する新たなZinc finger遺伝子を3遺伝子(Zfp35、Zfp775、Zfp398)のうち、Zfp398遺伝子について、米国baygenomics社より、ジーントラップES細胞株を購入し、そのES細胞株を用いてマイクロインジェクション法によってキメラマウスを作製した。さらに、ジーントラップマウスを取得するべく、マウスの交配を行いジャームラインにも載っていることを確認した。本研究の目標の一つであった、ZFP遺伝子についてのジーントラップマウスを取得することに成功したことで、今後、これらの遺伝子の発現パターンをLacZ染色により確認し、さらに四肢発生を中心にフェノタイプを解析していく。本研究を継続、発展することによって、この遺伝子の発生における役割を明らかにし、骨関節疾患などの診断、治療に役立てることを期待する。
  • ヒト骨髄由来間葉系幹細胞におけるmicroRNAによる分化制御の網羅的解析
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 特定領域研究
    研究期間 : 2005年 -2006年 
    代表者 : 淺原 弘嗣; 味八木 茂; 橋本 徳; 工藤 寛枝
     
    近年、転写後発現調節にタンパク質をコードしないRNA(non-cording RNA/ncRNA)が関与することが新たに示された。miRNAの発現は、組織特異的または発生段階特異的に発現され、発生・分化を制御していると考えられる。また、幹細胞の未分化維持機構にも作用している可能性もあり、その分子機構の解明により将来的な医療応用への実現が期待される。そこで、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hMSC)など未分化間葉系細胞から軟骨細胞、筋細胞などの筋骨格系細胞分化過程でその発現に変化のあるmiRNAを同定し、それらの発生・分化に対する影響を明らかにすることを目的とした。 昨年度までに、hMSCと軟骨細胞、未分化間葉系細胞であるマウスC2C12細胞において発現しているmiRNAをマイクロアレーにより網羅的な解析を行った。分化誘導にともない発現に変動のみられたmiRNAに対して、ノーザンブロット、リアルタイムPCRによりMSCで高発現するもの、各分化誘導によって発現が増加するmiRNAを同定した。同定したmiRNAは、その発現様式を調べるためにマウス胚を用いたボールマウントおよび組織In situハイブリダイゼーションを行なった。その結果、発生期において将来筋肉となる体節や心臓、軟骨形成領域に組織特異的に発現するmiRNAの詳細な発現様式を明らかにした。本年度は、これらの筋および軟骨特異的miRNAのノックアウトマウス、組織特異的トランスジェニックマウスを作製することを第一とした。今後これら遺伝子改変マウスを解析することで組織特異的miRNAの発生・分化における機能を明らかにする。以上のことより、miRNAによるMSCの分化制御機構の一端を明らかにすることで、幹細胞の未分化および分化制御の新たな基本的なメカニズムの一部を理解することに貢献する。
  • 核内蛋白HMGB1の成長因子としての骨分化におけるメカニズムの解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 特定領域研究
    研究期間 : 2005年 -2005年 
    代表者 : 浅原 弘嗣; 橋本 徳; 味八木 茂
     
    近年、DNAとヒストンの複合体であるクロマティンとその制御ファクターによるエピジェネティックな遺伝子発現調節が、発生を制御する重要な因子として注目されている。本研究は、クロマティン蛋白であるHMGB-1(High mobility group box protein)が、同時に肥大軟骨細胞より細胞外へ分泌される知見から、HMGB-1の未知の機能を解明し、内軟骨性骨化メカニズムと核内クロマティン蛋白質の新たな機能を明らかにすることを目的とする。これまでの我々の研究により、以下の結果が得られた。HMGB-1欠損マウス胎仔の解析より、軟骨成熟により内軟骨性骨化の始まる胎生16日において外観的に四肢の短小を認めた。その骨格形成に及ぼす影響を詳しく検討した結果、骨芽細胞への分化は認められず、内軟骨性骨化に影響を与えることを発見した。正常マウス胎仔の四肢におけるHMGB-1の免疫染色の結果、軟骨増殖層では発現が認められないが、前肥大層から肥大層にかけては、その顕著な発現を認め、その局在の多くは細胞質内であった。核内蛋白であるHMGB-1が核外細胞質内、さらには細胞外にも移行し、成長因子として作用、その血管誘導能がある可能性を見出した。正常マウス胎仔の長管骨器官培養により、その培養上清中にHMGB-1が分泌されていることを確認した。現在、in vitro系を用い、軟骨細胞内における局在の変化による影響、軟骨・骨芽細胞への分化への影響、野生型マウスとHMGB-1ノックアウトマウスの骨髄より単離した間葉系幹細胞細胞を用いて、骨芽細胞、軟骨細胞へ分化誘導することによりHMGB-1の分化能に対する影響を解析中である。我々のデータから、HMGB-1の、骨分化(内軟骨性骨化)に対する成長因子としての重要な役割が推察される。

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