膵臓癌におけるビック3遺伝子の臨床的意義に関する検討
日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
研究期間 : 2012年04月 -2015年03月
代表者 : 大島 稔; 谷内田 真一; 岡野 圭一; 鈴木 康之
通常型膵管癌において高頻度で変異が検出される4遺伝子KRAS, p53, p16,SMAD4のうち,ほぼ100%で変異がみられるKRASを除く3遺伝子の異常とその臨床的意義について手術症例(106例)を対象とし検討した.p53の異常(81%)は局所再発に,p16の異常(67%)は遠隔転移に, Smad4の異常(60%)は腫瘍径やリンパ節転移に有意な相関を認めた. Smad4は全生存期間を規定する独立因子であり,3遺伝子の異常の総数は術後の生命予後を強く反映していた.膵癌における主要3遺伝子の異常とその蓄積は生物学的悪性度を強く反映し,3遺伝子の評価は治療方針の決定にきわめて有益である.