研究者データベース

伊藤文紀 (イトウ フミノリ)

        
    農学部 応用生物科学科 
  • 教授
Last Updated :2025/04/24

研究者情報

学位

  • 博士(環境科学)(北海道大学)

J-Global ID

研究キーワード

  • 侵入害虫   アリ   行動   生態   昆虫   Invasive insects   Ant   Behavior   Ecology   Insect   

研究分野

  • ライフサイエンス / 生態学、環境学

経歴

  • 2004年 - 現在  香川大学農学部, 教授Faculty of Agriculture
  • 1998年 - 2004年  香川大学農学部, 助教授Faculty of Agriculture
  • 1996年 - 1998年  香川大学教育学部, 助教授Faculty of Education
  • 1995年 - 1996年  香川大学教育学部, 講師Faculty of Education
  • 1993年 - 1995年  香川大学教育学部, 助手Faculty of Education
  • 1991年 - 1993年  学術振興会特別研究員

学歴

  • 1986年04月 - 1992年03月   北海道大学   環境科学研究科   環境保全学
  • 1982年04月 - 1986年03月   島根大学   農学部   環境保全学科

所属学協会

  • 日本熱帯生態学会   日本蟻類研究会   日本昆虫学会   

研究活動情報

論文

書籍

  • 外来アリのはなし
    伊藤 文紀 (担当:共著範囲:ヒゲナガアメイロアリ)朝倉書店 2020年03月
  • パワーエコロジー
    海游社 2013年
  • 土壌動物学への招待
    東海大学出版会 2007年
  • 香川県のアリ類
    香川県高等学校生地部会 2007年
  • ハチとアリの自然史
    北海道大学図書刊行会 2002年
  • 外来種ハンドブック
    地人書館 2002年
  • 地球はアリの惑星
    平凡社 1995年
  • Ant-Plant Interactions
    Oxford Univ. Press 1991年

講演・口頭発表等

  • 来館者とのコミュニケーションがつくる企画展―「形と機能」の理解を目指した展示は伝わったのか?  [通常講演]
    第9回博物科学会 2014年
  • The exocrine system of Protanilla wallacei  [通常講演]
    3rd Central European IUSSI(International Union for the Study of Social Insects) Meeting 2013年
  • The exocrine system of Protanilla wallacei  [通常講演]
    3rd Central European IUSSI(International Union for the Study of Social Insects) Meeting 2013年
  • 観音寺市有明浜のハナバチ相  [通常講演]
    第51回昆虫学会四国地区会 2012年
  • 外来種アルゼンチンアリの分布拡大プロセスとスーパーコロニーの進化と維持機構  [通常講演]
    第67回日本生物地理学会 2012年
  • アルゼンチンアリが地表歩行性動物に及ぼす影響  [通常講演]
    第2回アルゼンチンアリ研究集会 2011年
  • ウメマツオオアリはなぜアルゼンチンアリと共存できるのか  [通常講演]
    第2回アルゼンチンアリ研究集会 2011年
  • 侵略的外来種アルゼンチンアリのスーパーコロニー間における闘争の優劣関係  [通常講演]
    第71回日本昆虫学会 2011年
  • 東南アジア産ジュズフシアリ属のコロニー構成と行動  [通常講演]
    第71回日本昆虫学会 2011年
  • ルリアリはなぜアルゼンチンアリと共存できないのか  [通常講演]
    第71回日本昆虫学会 2011年
  • Novel behavioral characteristics of major workers in the Oriental endemic genus Acanthomyrmex  [通常講演]
    第27回個体群生態学会 2011年
  • “来館者とのコミュニケーションがつくる企画展”の試み ―平成22年度企画展「アリの世界~『○○してみる』研究室~」の事例から―  [通常講演]
    第6回博物科学会 2011年
  • 廿日市市におけるアルゼンチンアリー10年間の動態  [通常講演]
    アルゼンチンアリ研究会 2010年
  • アルゼンチンアリ大航海:DNA解析による遺伝構造の解明と侵入経路の推定  [通常講演]
    第57回日本生態学会大会 2010年
  • 侵略的外来種アルゼンチンアリのスーパーコロニー間における闘争関係  [通常講演]
    第54回日本応用動物昆虫学会大会 2010年
  • インドネシア東ジャワ州プルボダディ植物園のアリ相  [通常講演]
    第20回日本熱帯生態学会 2010年
  • マレー半島ウルゴンバックのアリ相  [通常講演]
    日本昆虫学会第70回大会 2010年
  • キオビコハナバチの材営巣性について  [通常講演]
    日本昆虫学会第70回大会 2010年
  • 好蟻性ハネカクシ類における宿主アリ利用様式の多様性  [通常講演]
    日本昆虫学会第70回大会 2010年
  • 侵略的外来種アルゼンチンアリのスーパーコロニー間における闘争と遺伝構造  [通常講演]
    日本昆虫学会第70回大会 2010年
  • アリヅカコオロギはアルゼンチンアリと共存可能か  [通常講演]
    日本昆虫学会第70回大会 2010年
  • ウメマツオオアリはなぜアルゼンチンアリと共存できるのか  [通常講演]
    日本昆虫学会第70回大会 2010年
  • 特定外来生物アルゼンチンアリの防除に向けた潜在的国内侵入地域の推定  [通常講演]
    53回日本応用動物昆虫学会大会 2009年
  • 沖縄産ヒメアマガエルが食べるアリ  [通常講演]
    第69回日本昆虫学会 2009年
  • 熱帯雨林における生物多様性指標としてのヒメサスライアリ  [通常講演]
    第69回日本昆虫学会大会 2009年
  • アリ類における大型餌運搬方法  [通常講演]
    第51回日本蟻類研究会大会 2008年
  • アルゼンチンアリが好蟻性シジミチョウ・ムラサキツバメに及ぼす影響(予報)  [通常講演]
    第68回日本昆虫学会 2008年
  • 戦後間もなく岩田久二雄がみた香川県の昆虫  [通常講演]
    日本昆虫学会第68回大会 2008年
  • アリ科女王の受精嚢形態の進化ー比較発生学によるアプローチ  [通常講演]
    日本昆虫学会第68回大会 2008年
  • 熱帯産アリ類の日周活動性と採餌場所  [通常講演]
    第17回日本熱帯生態学会 2007年
  • 香川県三木町白山の蝶・40年前との蝶類相の比較  [通常講演]
    第46回日本昆虫学会四国地区会 2007年
  • 形態形成過程からみたアリ類の受精嚢の特殊性  [通常講演]
    第46回日本昆虫学会四国地区会 2007年
  • 廿日市市周辺におけるアルゼンチンアリの分布と在来アリ類に及ぼす影響-7年間の調査結果のまとめ  [通常講演]
    第50回日本蟻類研究会大会 2007年
  • キイロシリアゲアリにおける多雌創設の意義  [通常講演]
    第67回日本昆虫学会 2007年
  • 社会性カリバチにおける繁殖者と非繁殖者の受精嚢の形態比較  [通常講演]
    日本昆虫学会第67回大会 2007年
  • アリ類における単為生殖  [通常講演]
    第29回日本土壌動物学会 2006年
  • Nestmate recruitment and prey retrieval in the ant Amblyopone reclinata  [通常講演]
    第15回国際社会性昆虫学会 2006年
  • Morphogenesis of the worker spermatheca in poneromorph ants  [通常講演]
    第15回国際社会性昆虫学会 2006年 ポスター発表
  • Queen-worker dimorphism in the sperm reservoir of poneromorph ants  [通常講演]
    第15回国際社会性昆虫学会 2006年 ポスター発表
  • アルゼンチンアリが在来生物相に及ぼす影響  [通常講演]
    日本昆虫学会題66回大会 2006年
  • 都市公園におけるアリ類の種多様性に及ぼす要因  [通常講演]
    日本昆虫学会第66回大会 2006年
  • キオビシリアゲアリの生態(1)  [通常講演]
    第48回日本蟻類研究会大会 2005年
  • トカラウロコアリの女王による産雌性処女生殖(1)  [通常講演]
    日本昆虫学会第65回大会 2005年
  • 餌としてのアリ:ニホンアマガエルを用いた検証(1)  [通常講演]
    日本昆虫学会第65回大会 2005年
  • 広島県廿日市市周辺におけるアルゼンチンアリの森林への侵入状況と在来アリ類へ及ぼす影響(1)  [通常講演]
    日本昆虫学会第65回大会 2005年
  • 侵入害虫アリー最近の話題(1)  [通常講演]
    第50回四国植物防疫研究協議会大会 2005年

MISC

  • アギトアリを四国から初めて記録
    伊藤文紀; 谷地森秀二 四国自然史科学研究 (14) 43 -44 2021年03月 [査読有り]
  • スミゾメハキリバチの採集記録と営巣行動に関する知見
    伊藤文紀 へりぐろ (42) 1 -1 2021年02月
  • 香川県未記録だったムネボソアリ属2種を採集
    伊藤文紀; 亀山剛; 寺山守 へりぐろ (41) 42 -42 2020年02月
  • 香川県未記録だったオオウロコアリを採集
    三崎愛美; 小比賀光紘; 細川涼太; 伊藤文紀 へりぐろ (41) 41 -41 2020年02月
  • 近隣府県で絶滅危慎種に指定されているハナバチ類の香川県における分布記録
    伊藤文紀 へりぐろ (41) 37 -40 2020年02月
  • 海外のアリたちの多様な生き方.
    伊藤 文紀 ミルシル(国立科学博物館発行) 12 (6) 15 -17 2019年09月
  • アリの多様な生き方は飛ぶことをやめて可能になった?
    伊藤 文紀 ミルシル(国立科学博物館発行) 12 (6) 4 -5 2019年09月
  • 追悼 マシュビッツ先生
    伊藤 文紀 蟻 (40) 3 -5 2019年05月
  • 高知県芸西村琴ケ浜で夏に採集したハナバチ類
    伊藤 文紀 へりぐろ (40) 12 2019年02月
  • クズハキリバチの香川県における採集記録
    伊藤 文紀; 滝朋子 へりぐろ (40) 11 2019年02月
  • 環境省レッドリストに掲載されている狩りバチ類の香川県における分布記録
    伊藤 文紀 へりぐろ (40) 9 -10 2019年02月
  • 礼文島におけるエゾアカヤマアリの採集記録
    杉浦直人; 伊藤文紀 利尻研究 (37) 29 -30 2018年03月
  • 三木町白山でアサギマダラを目撃
    伊藤 文紀 へりぐろ (39) 53 2018年02月
  • 香川県におけるヤマトスナハキバチの採集記録
    伊藤 文紀 へりぐろ (39) 43 2018年02月
  • アジアキタドロバチとオデコフタオビドロバチを香川県で採集
    伊藤文紀 へりぐろ (38) 14 2017年
  • 環境省レッドリストで選定されたハナバチ類の香川県における分布記録
    伊藤文紀 へりぐろ (37) 27-29 -29 2016年02月
  • 高松市大島で採集した有剣類
    伊藤文紀; 大西悠香; 小比賀光紘; 塩田真紀; 吉田拓馬 へりぐろ (36) 31-33 -33 2015年02月
  • キイロオオシワアリ有翅女王の採集記録
    伊藤文紀 へりぐろ (35) 72 2014年02月
  • ウスルリモンハナバチの目撃記録
    伊藤文紀 へりぐろ (35) 71 2014年02月
  • 屋島で目撃したチョウ
    伊藤文紀 へりぐろ (35) 33-34 2014年02月
  • 屋島の海浜で採集された有剣ハチ類
    伊藤文紀 へりぐろ (35) 31-32 2014年02月
  • 蝉と蟻ー寓話と昆虫記とアルゼンチンアリー
    頭山昌郁; 伊藤文紀 蟻 (35) 6-14 2013年05月 [査読有り]
  • キアシハナダカバチモドキの香川県における採集記録
    伊藤文紀 ヘリグロ (31) 12 2013年
  • 広島県廿日市市の市街地で2012年に目撃したウラナミジャノメ
    伊藤文紀 へりぐろ (34) 10 2013年
  • 北海道におけるアメイロアリの家屋侵入例
    伊藤文紀 蟻 in press 2013年
  • キイロオオシアアリとヌカウロコアリを香川県から記録
    記虎日香里; 皆川成美; 伊藤文紀 へりぐろ (33) 21 2012年
  • アキノヤマテヒメハナバチAndrena mitakensisを徳島県および愛媛県から記録
    伊藤文紀 へりぐろ (33) 22 2012年
  • トゲアリ女王をムネアカオオアリの巣から採集
    古川健人; 大部泰嗣; 伊藤文紀 香川生物 (39) 61-62 2012年
  • 島根県で1982~1985年に採集したチョウ類の記録
    伊藤文紀 香川生物 (39) 73 -75 2012年
  • 岡山県赤磐市でアギトアリを採集
    伊藤文紀; 冨田勇 香川生物 (39) 71-72 2012年
  • 四国の港湾地域におけるアルゼンチンアリの分布調査
    池永宜弘; 伊藤文紀 香川生物 (39) 63 -69 2012年
  • トモンハナバチAnthidium septemspinosumを四国から記録
    伊藤文紀 中国昆虫 (26) 87 -88 2012年
  • 広島県廿日市の市街地におけるウラナミジャノメの採集・目撃記録
    伊藤文紀 へりぐろ (32) 23 2011年
  • 香川県と愛媛県におけるウスルリモンハナバチThyreus centrimaculaの採集記録
    伊藤文紀; 内田隆平 へりぐろ (32) 22 2011年
  • 香川県高松市のヤマトハキリバチ集団営巣地でホソバトガリハナバチを採集
    伊藤文紀 中国昆虫 (23) 57-58 2009年
  • アルゼンチンアリの脅威
    伊藤文紀 遺伝 63 (3) 118 -122 2009年
  • 香川県三木町白山のチョウ相の変化−1960年代と2006−7年の比較
    北川雄士; 安井行雄; 伊藤文紀 香川生物 (36) 21-33 -33 2009年
  • アリ類における大型餌運搬方法
    伊藤文紀 昆虫と自然 44 (4) 15 -19 2009年
  • 香川県から未記録だったアリ4種の採集記録
    伊藤文紀; 池下洋平 へりぐろ (30) 48 2009年
  • ウスルリモンハナバチThyreus centrimaculaを四国から記録
    伊藤文紀 中国昆虫 22 45 2008年
  • 香川県のアリ類
    伊藤 文紀 香川の生物 179 -184 2007年
  • 三木町白山でメスアカムラサキを採集
    伊藤 文紀 へりぐろ (28) 31 2007年
  • 香川県で絶滅が危惧される昆虫類
    伊藤文紀 昆虫と自然 42 (14) 38 -41 2007年
  • 香川県丸亀市飯野山のアリ
    池下洋平; 後藤彩子; 山本和典; 谷口伸弘; 伊藤文紀 香川生物 34 (34) 59 -62 2007年
  • 侵略的外来アリが在来生物に及ぼす影響
    伊藤 文紀 昆虫と自然 41 (13) 10 -13 2006年
  • 香川県からスズバチネジレバネとスズメバチネジレバネを記録
    木船悌嗣; 倉橋伴知; 後藤彩子; 段床稔; 伊藤文紀 四国虫報 40 25 2006年
  • キオビシリアゲアリの生態
    伊藤文紀 昆虫と自然 40 (1) 22 -26 2005年
  • モリシタケアリを北海道から記録
    丸山宗利; 喜田和孝; 伊藤文紀 蟻 27 10 2005年
  • 四国から初記録のアナバチネジレバネ
    木船悌嗣; 倉橋伴知; 伊藤文紀 四国虫報 38 (30) 2004年
  • 香川県からのネジレバネの記録(ネジレバネ目・ハチネジレバネ科)
    木船悌嗣; 伊藤文紀 四国虫報 (37) 12 2003年
  • 日本に侵入したアルゼンチンアリの分布と生態
    伊藤文紀 家屋害虫 25 (2) 121-122 -122 2003年
  • 日本におけるアルゼンチンアリの分布と在来アリに及ぼす影響
    伊藤文紀 昆虫と自然 38 (7) 32 -35 2003年
  • 香川県のクサアリ亜属
    伊藤 文紀 蟻 (25) 7 -8 2001年 [査読有り]
  • 香川県のアリ相(補遺-3)
    伊藤文紀 蟻 (25) 10 2001年
  • ベッピンニセハリアリを四国から記録
    前藤薫; 伊藤文紀 蟻 (25) 9 2001年
  • 東南アジア熱帯産アリ類の生活(2)
    伊藤 文紀 大阪消防 51 (12) 14 -15 2000年12月 [招待有り]
  • 東南アジアのアリのくらし(4)カドフシアリの巣に住むササラダニ
    伊藤 文紀 インセクタリュム 37 (12) 404 -410 2000年12月
  • 東南アジア熱帯産アリ類の生活(1)
    伊藤 文紀 大阪消防 51 (11) 14 -15 2000年11月 [招待有り]
  • 東南アジアのアリのくらし(3)ハシリハリアリ属の生態
    伊藤 文紀 インセクタリュム 37 (9) 278 -283 2000年09月
  • A308 西ジャワ州に分布するハリアリの1種Pachycondyla sp.の社会構造と順位行動について(動物行動学・行動生態学)
    大河原 恭祐; 伊藤 文紀 日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 (44) 17 -17 2000年03月
  • 東南アジアのアリのくらし(2)ノコギリハリアリ族の生態
    伊藤 文紀 インセクタリュム 37 (2) 54 -59 2000年02月
  • アリとビールの日々ーベルギー・ルーベンで過ごした8ヶ月ー
    伊藤 文紀 蟻 (24) 22 -30 2000年
  • 香川県のアリ相(補遺3)
    伊藤 文紀 蟻 (24) 12 2000年
  • 東南アジアのアリのくらし(1)ボゴール植物園のアリ
    伊藤 文紀 インセクタリュム 36 (10) 314 -319 1999年10月
  • ハリアリ亜科の社会
    伊藤 文紀 昆虫と自然 32 (10) 22 -25 1997年10月
  • 香川県のアリ相(補遺)
    湊正寿; 伊藤文紀 蟻 (21) 8 1997年 [査読有り]
  • 高知県土佐横波と高知市のアリ
    伊藤文紀; 湊正寿 蟻 (20) 5-8 1996年 [査読有り]
  • 香川県のアリ(予報)
    湊正寿; 亀山剛; 伊藤文紀; 市野隆雄 蟻 (20) 9 -13 1996年 [査読有り]
  • アリの巣に住むササラダニ
    伊藤 文紀 化学と生物 33 (12) 793 -795 1995年12月
  • アリの摂餌生態ー他生物との関係ー
    伊藤 文紀 遺伝 49 (9) 26 -30 1995年09月
  • アリとササラダニの不思議な関係
    伊藤 文紀 子供の科学 58 (3) 34 1995年03月
  • 剣山のアリ相
    亀山剛; 田近五郎; 伊藤文紀 蟻 (19) 16 1995年 [査読有り]
  • 匹見町の鱗翅目
    伊藤 文紀; 久保田直哉 すかしば 10 (21) 1 -14 1984年08月

受賞

  • 2013年 文部科学大臣表彰科学技術賞(理解増進部門)
     JPN
  • 1999年 日本熱帯生態学会吉良賞奨励賞(1999.6)
     JPN

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • アリ類コロニーにおける働きアリ卵巣の機能とその意義
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2023年03月 
    代表者 : 伊藤 文紀
     
    国内各地をおとずれアリ類のコロニーを採集するとともに、飼育観察や解剖によって働きアリの栄養卵産卵の有無と働きアリによるオス卵生産の有無を中心に調査した。(1)沖縄で採集されたクメアシナガアリ、サワアシナナガアリ、クロミアシナガアリは、過去に観察したヨナグニアシナガアリと同様に、個体間で口移しによる栄養交換はなく、働きアリが栄養卵を産み、おもに幼虫に与えられた。女王アリも固形餌とともに栄養卵を摂食した。クメアシとクロミアシでは女王不在下で働きアリを飼育したところ、繁殖卵を産卵し、個体数は少ないもののオスが羽化した。(2)クロオオアリの観察を継続し、観察時間数を増やしたが、いまだに働きアリによる栄養卵産卵は観察されていない。女王不在下で働きアリを飼育したところ、繁殖卵を生産し、オスが羽化した。(3)稀種であるウワメアリのコロニーを飼育し観察することができた。近縁のアメイロアリ属各種と同様に、働きアリは栄養卵を産卵し、おもに幼虫に与えられ、その過程で女王アリが攻撃的に栄養卵を奪い摂食する場面がしばしばみられた。(4)ツシマハリアリ、アカケブカハリアリのコロニーを観察したが、栄養卵産卵場面は観察できなかった。(5)ヨナグニアシナガアリの栄養卵生産を含む生態や行動に関する論文をまとめ発表した。(6)ハリアリ亜科3種の栄養卵生産と摂食生態に関する論文をまとめ、アリ類における栄養卵の多様性について概説した。
  • 遺伝的クローンであるアリの適応的な表現型個体差を産み出す分子機構の解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 遠藤 俊徳; 長谷川 英祐; 伊藤 文紀; 里村 和浩
     
    昆虫は機械的な動きを示すことが多く、遺伝子が行動を司るなら同一遺伝子をもつ個体の行動閾値は同じにになることが期待される。同巣のワーカーが共通の遺伝子セットをもつクローンであるイカリゲシワアリについて、行動閾値の初期値と条件付けによる変化を観察し、個体間のゲノムの差異を調べたところ、違いは見いだせなかった。この多様性がDNAメチル化のエピジェネティクスによって制御されているかどうかを確かめるため、行動閾値の異なる個体のメチル化状態の違いを解析したが、対象範囲ではメチル化状態に違いがないことがわかった。
  • 軍隊アリ近縁種群の比較研究から究明する「軍隊アリ形質」のメカニズムと進化
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 伊藤 文紀; 江口 克之
     
    各地でサスライアリ亜科非軍隊アリ種のコロニーを採集し、その構成や餌内容、繁殖の周期性、カスト分化程度を明らかにした。働きアリ数はCerapachys属で数百個体を超えるものが数種含まれていたが、他の属ではいずれも100個体未満で、軍隊アリと比較して著しく少なかった。多女王制が少なくとも7種あり、この点でも軍隊アリと著しく異なっていた。Lioponera属はいずれの種も非周期性繁殖種で、ほかの種はすべて周期性繁殖であった。餌への特殊化は多様で、アリ類専門家とともに広食種もいた。コロニーサイズが小さな種は単独で、大型の種では集団採餌をおこなった。
  • 外来種アルゼンチンアリのパーソナリティ特性とスーパーコロニーの進化機構の解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 井上 真紀; 伊藤 文紀
     
    日本に侵入したアルゼンチンアリの4つのスーパーコロニーにおいて行動実験を行ったところ、コロニーJMとKBは他コロニーのワーカーに対して集団で攻撃する一方、KCは攻撃を避けるものの採餌活動がより高かった。KAは攻撃性も採餌活動も低く、コロニーレベルでの行動特性の違いが明らかになった。 原産地アルゼンチンで本種を採集し分子遺伝解析を行った結果、4つのクレードに分けられた。1.世界中に分布するJMとKB、各地個体群、2.KCと東部地域、アンデス地域、3.東部地域、4.東京都コロニーであった。地理的遺伝構造はなく、原産地でもパラナ川での交易や鉄道の発達に伴う分布拡大が繰り返されたと考えられる。
  • 社会構造の地理変異から究明するアリ類におけるカスト特殊化の進化と意義
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 伊藤 文紀; 三浦 徹; 江口 克之
     
    東南アジア産マガリアリ属15種の社会構造を、フタイロマガリアリ種群(メナドとフタイロ)を中心に調査した。13種は脱翅女王だけが受精産卵し、働きアリの受精嚢は欠如するか、著しく縮小していた。メナドでは、働きアリと脱翅女王が受精産卵し、女王繁殖コロニーは単女王、働きアリ繁殖コロニーは多女王であった。フタイロでは、働きアリ、脱翅女王、大型無翅女王のいずれか1個体が受精産卵する単女王制であった。個体群によってその頻度が異なり、大型無翅女王は東ジャワでのみみられ、受精働きアリが繁殖するコロニーもあった。他の調査地では、脱翅女王か受精働きアリが繁殖していた。有翅女王の体サイズに地理変異があった。
  • 侵略的外来種アルゼンチンアリにおけるスーパーコロニーの進化と維持機構の解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 井上 真紀; 伊藤 文紀
     
    南米原産のアルゼンチンアリは、複数の多女王制巣からなるスーパーコロニー(SC)を形成する。本研究では、同じ遺伝子型を持つ非敵対性SCが世界中に広く分布している一方、小規模で異なる遺伝子型を持つSCが局所分布していることが明らかになった。また、側所分布する4つのSCは遺伝的に互いに独立しており、ひとつの繁殖ユニットとして機能することが示された。局所的に分布する小規模SCが逃避行動を示し、巨大SCは集団敵対性が強いことが明らかになった。このことから、他コロニーを駆逐し優占し、巨大SCが世界中に分布すると考えられる。
  • 侵略的外来種アルゼンチンアリ侵入に伴う生態リスクの真実と嘘
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 伊藤 文紀
     
    アルゼンチンアリが在来生態系に及ぼす影響を明らかにする目的で、広島県廿日市市周辺の市街地公園において在来アリ以外の生物に及ぼす影響をさまざまな方法を用いて調査した。地表歩行性動物に及ぼす影響は明らかではなかったが、ニホントカゲは減少していた。管住性ハチの営巣数は減少する傾向があった。寄主が特殊化している好蟻性昆虫は著しく減少したが、寄主範囲の広い種はアルゼンチンアリと共存可能だった。
  • 外来侵入アリの分布拡大と在来アリ群集撹乱評価の統計モデリング
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2010年 -2012年 
    代表者 : 久保 拓弥; 伊藤 文紀
     
    2000-2012年の廿日市市内の多数の調査地点で得られたアリ群集の動態データにもとづき,ベイズ統計モデルを使って外来侵入種であるアルゼンチンアリの分布拡大の特徴ならびにこれが日本在来のアリ群集に与える影響を評価した.アルゼンチンアリの分布拡大を左右する地理的な要因は発見されなかったが,在来の各種アリの個体群密度を低下させる効果についてはデータにもとづいて定量することに成功した.
  • 分子生物学的手法、雄の不妊化、天敵利用による外来侵入アリ3種の防除法開発
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 東 正剛; 三浦 徹; 村上 貴弘; 辻 瑞樹; 伊藤 文紀; 尾崎 まみこ; 五箇 公一; 佐竹 暁子
     
    継続調査により、アルゼンチンアリの分布域が本州太平洋海岸沿いに拡大していることを確認した。そのうち、横浜で発見した小さな個体群を対象に、アリ道フェロモン成分Z-(9)-Hexadecenalと市販の殺蟻剤を併用して根絶を試み、成功した。ヒアリの侵入を防ぐため、検疫官でも容易に使える種同定法を開発するとともに、オオタバコガコマユバチが侵入アリの検出に有効であることを確認した。また、ヒアリの核型分析により、台湾などの侵入個体群では3倍体などの個体が異常に多いことを見出した。分子生物学的実験に適したトゲオオハリアリを用いてアリの性決定機構を研究し、feminizer遺伝子の発現などに関して重要な知見を得つつある。
  • 餌としてのアリ類の役割
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2006年 -2009年 
    代表者 : 伊藤 文紀; 頭山 昌郁
     
    アリ類の餌としての役割を明らかにするために、カエル類と捕食性節足動物の餌内容や選好性、生存や成長に及ぼすアリの影響を調査した。ニホンアマガエルとヒメアマガエルは多数のアリを捕食していたが、明らかな選好性があり、刺や針、有毒な外分泌腺など顕著な防衛機構を持つ種や小型種の捕食量は少なかった。アリの種類によってニホンアマガエルの生存や成長に及ぼす影響は異なっていた。
  • 昆虫の社会進化における性および単為生殖と利己性の相互作用
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2006年 -2008年 
    代表者 : 辻 瑞樹; 長谷川 英祐; 伊藤 文紀; 松浦 健二; 嶋田 正和; 松浦 健二; 嶋田 正和
     
    社会性昆虫で散見される無性的生殖の進化機構とそれがこれら昆虫の社会行動に与える影響を理論・実証両面で研究した。主な成果は、アミメアリにおける同種の労働に寄生する利己的単為生殖系統の発見と、ヤマトシロアリにおいて女王が自身の死後コロニーの繁殖を引き継ぐ補充女王に自身の遺伝的なコピーを単為生殖で残していることの発見である。これらは社会性昆虫が性の進化の好研究材となることを示す。
  • 外来侵入アリ類と融合コロニー形成に関する総合的研究
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2007年 
    代表者 : 東 正剛; 三浦 徹; 久保 拓弥; 伊藤 文紀; 辻 瑞樹; 尾崎 まみこ; 高田 壮則; 長谷川 英祐
     
    本研究プロジェクトにより、スーパーコロニー(SC)を形成するエゾアカヤマアリの感覚子レベルにおける巣仲間認識と行動レベルでの攻撃性の関係が明らかとなった。このアリは、クロオオアリの角で発見されたものと同じ体表炭化水素識別感覚子を持ち、巣仲間であってもパルスを発しており、中枢神経系で識別していると考えられる。しかし、SC外の他コロニーの個体に対する反応よりは遥かに穏やかな反応であり、体表炭化水素を識別する機能は失われていないと考えられる。また、SC内ではこの感覚子の反応強度と巣間距離の間に緩やかな相関関係が見られることから、咬みつき行動が無い場合でも離れた巣間では個体問の緊張関係のあることが示唆された。敵対行動を、咬みつきの有無ではなくグルーミングやアンテネーションなどとの行動連鎖として解析した結果、やはり咬みつきがなくてもSC内の異巣間で緊張関係が検出された。さらに、マイクロサテライトDNAを用いて血縁度を測定したところ、SC内の巣間血縁度は異なるコロニー間の血縁度と同じ程度に低かった。巣内血縁度はやや高い値を示したが、標準偏差はかなり大きく、巣内には血縁者だけでなく非血縁者も多数含まれていることが示唆された。これらの結果から、SCの維持に血縁選択はほとんど無力であり、恐らく、結婚飛行期における陸風の影響(飛行する雌は海で溺死し、地上で交尾後、母巣や近隣巣に侵入する雌が生き残る)、砂地海岸における環境の均一性などが多女王化と敵対性の喪失に大きく関わっていると結論付けられる。
  • 侵入害虫アリが日本の在来生物相に及ぼす影響と分布拡大メカニズムの解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2002年 -2005年 
    代表者 : 伊藤 文紀
     
    アルゼンチンアリの瀬戸内海沿岸地域での分布状況、広島県廿日市市周辺での分布拡大の実態、アリ類をはじめとする在来他生物に及ぼす影響等を調査した。主な結果は以下のとおり。1.瀬戸内海沿岸の65都市でアルゼンチンアリの有無を調査し、8都市に分布していることが明らかになった。また、廿日市市周辺を除くと分布のスケールは小さく、日本への侵入は比較的近年であると考えられた。2.廿日市市周辺の都市公園など77か所で2000年から定期的にアリ相の調査を実施した。アルゼンチンアリの侵入公園は2000年の27か所から2005年秋には41か所に増加し、着実に分布が拡大していた。3.アルゼンチンアリ侵入公園では、在来アリの種多様性が有意に低下した。調査期間中にアルゼンチンアリが侵入した公園では、在来アリの種数が急激に減少した公園はごくわずかで、種多様性の低下には少なくとも数年は必要なようであった。4.アルゼンチンアリの影響は、在来種間で著しくことなっていた。クロヤマアリやトビイロシワアリをはじめとする大部分のアリは、アルゼンチンアリの侵入地での出現頻度が著しく低かったが、サクラアリやウメマツオオオアリでは未侵入地の出現頻度と差がなかった。5.捕食者に対する影響を明らかにするために、ニホンアマガエルの餌内容や餌選好性を調査した。アマガエルは多数のアリ類を捕食しており、餌として利用されていたアリの種多様性は、アルゼンチンアリ未侵入地に比べて侵入地で低かった。
  • 熱帯産アリ類における外分泌腺情報伝達物質の機能解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2002年 -2004年 
    代表者 : 伊藤 文紀; 山内 克典; 山岡 亮平; 辻 瑞樹; 大河原 恭祐; 秋野 順治
     
    アリは他の昆虫類からは想像できないほど多種多様な外分泌腺を持ち、様々な化学物質を生産しているが、その外分泌腺物質の機能や分子構造が解明されているのはごくわずかである。本研究では、アジア熱帯・亜熱帯地域におけるアリ類の外分泌腺物質の機能を明らかにするとともに、長年議論されてきたが未だにその存在や物質的基盤が十分には解明されていない繁殖制御物質・警報防衛フェロモン・自己犠牲シグナル・抗菌物質などについて、その機能と化学構造の解明を目的に研究を実施した。おもな研究業結果は以下のとおり。1.数種のアリ類について、防衛物質を生産する外分泌腺の構造と機能について、実際の捕食者を用いて調査し、その機能を明らかにした。2.沖縄産トゲオオハリアリにおいて、卵巣を発達させた個体への攻撃による産卵前ワーカーポリシングが存在することを示した。体表物質がポリシングの鍵刺刺激である可能性を指摘した。3.社会性昆虫では一般に成虫の齢と繁殖をめぐる闘争の順位に相関があり、アリ類では若い個体ほど順位が高くなるのに対しカリバチ類では、逆に老齢個体の方が順位が高くなる。この現象について、生活史との関連から適応的な説明を与えるとともに、社会性昆虫が互いの余命を体表物質等でアセスしている可能性を指摘した。4.鳥やほ乳動物によって種子が散布される熱帯果樹の種子の生存に対するアリの影響を調査し、アリが果肉部をかじり取る際に何らかの抗菌物質を種子表面に塗り付けているらしいことが実験的に示された。5.アリ捕食者であるアマガエルをもちいた捕食実験を様々な種を対象に実施し、アリの種類によって捕食量が著しく異なることや、カエルは明らかに不味いアリを経験すると、それに外見が類似したアリや昆虫類を避けることが実験的に示された。これによって、アリ類の防衛物質の機能を生物検定する方法がほぼ確立された。
  • 熱帯産アリ類における社会構造と寄生・共生者の多様性
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1999年 -2000年 
    代表者 : 伊藤 文紀; 辻 瑞樹; 中村 浩二; 山内 克典; 市野 隆雄; 大河原 恭祐
     
    インドネシアとマレーシアの各地で、各地のアリ相と多くのアリ類のコロニー構成・共生者・寄生者について調査した。アリ相についてはインドネシア・ジャワ島ボゴール植物園のアリ相を明らかにし、都市公園であるにもかかわらず216種のアリを確認した。社会構造については、特に働きアリが受精産卵可能な種を多数含むハリアリ亜科に重点をおき調査したところ、生息環境と社会構造に密接な関係があることが明らかになった。ハリアリ亜科の社会構造の特徴は、無翅女王繁殖種や働きアリ繁殖種が多数見られることだが、なぜある種では無翅女王が繁殖し、またある種では働きアリが繁殖するのかは不明であった。今回の調査から、働きアリ繁殖種は撹乱環境で多くみられ、逆に無翅女王種は森林に多くの種が生息する傾向がみられた。また、より大きな地理的スケールで異所的に分布する近縁種で比較すると、湿潤熱帯では働きアリ繁殖種が分布し、季節熱帯では無翅女王繁殖種が分布している例がみられた。このような社会構造と生息環境の相関は、巣分かれ機会の頻度と関係があると考えられた。寄生者についての調査はハリガネムシとセンチュウ類について調査し、幅広い系統群のアリに寄生していることが明らかとなったが、密度が低いため社会構造との関係は不明であった。共生者についてはササラダニなどについて調査し、寄生アリの社会構造と共生者の特殊化の程度にきわめて強い関係があることが明らかとなった。
  • アリ類における外分泌腺構造のカスト間比較と女王シグナルの進化
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1998年 -1999年 
    代表者 : 伊藤 文紀
     
    昨年度に引き続き、外分泌腺構造のカスト間差の調査を継続した。特に昨年度の研究から明らかになった後胸側板腺のサイズ差に注目し調査した。後胸側板腺のカスト間のサイズ差は女王の形態と関係があった。有翅女王種では、そのサイズ差は顕著で、有翅女王は働きアリに比べて分泌細胞の数が非常に多く、それぞれの細胞サイズも大きかった。一方、無翅女王種のLeptogenys属ではいずれの種でも女王と働きアリ間の差は顕著ではなかった。一見有翅女王に似た胸部形態をもつが無翅であるOdontomachus属の1種では、有翅女王種とよく似たカスト間差を示した。後胸側板腺はアリに特有の分泌腺で、抗菌物質を分泌していると考えられているが、その機能はまだ明確ではない。この分泌腺の女王シグナルとしての機能を検討するため、有翅女王をもつOdontomachus属の1種の多女王コロニーで一部の女王の後胸側板腺分泌口を人為的に塞ぎ、働きアリの女王に対する行動を調査したが、塞がなかった個体との間で明確な違いはなく、シグナルとしての機能は明らかではなかった。
  • 熱帯における昆虫の生活史戦略
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1996年 -1998年 
    代表者 : 中村 浩二; 中野 進; 新井 哲夫; 片倉 晴雄; 西田 隆義; 伊藤 文紀; 山村 則男; 木村 正人; NOERDJITO W.; 大河原 恭祐; HASAN N.; 高久 元; 辻 和希; 曽田 貞滋; 田中 誠二
     
    1.目的:生息環境の特性と生活史進化の相互関係を分析するために,インドネシアのジャワとスマトラに降雨条件や海抜高度の異なる調査地を設定し,(1)昆虫の野外個体群の季節動態をモニタリング,(2)室内飼育と実験的解析による温度適応,休眠形質,光周反応,ストレス抵抗性を比較した.2.調査地:西ジャワ州のボゴール,チボダス,東ジャワ州プルヴォダディの各植物園と,スマトラ西部州内のパダン,スカラミの各実験圃場での野外調査と室内実験を実施した.3.調査対象種:マダラテントウ類,ジンガサハムシ類,ショウジョウバエ類,コオロギ類,アリ類など.4.主要な成果(1)ジャワとスマトラから26種のマダラテントウを記録し,食草などの自然史的データを示した.(2)インドネシアと日本の21種のマダラテントウ類の産卵数,産卵習性を記録した.(3)熱帯(インドネシア),亜熱帯(沖縄),温帯(広島)のニジュウヤホシテントウE.vigintioctopunctataの休眠と温度抵抗性を調査した.(4)スマトラ産のマダラテントウの1種E.pythoの生存-繁殖スケジュールを記録した.(5)インドネシア西ジャワ州のボゴール植物園のアリ類の種多様性を調べ,合計216種を記録した.(6)ジャワ,スマトラの定点観測地点において,最長9年間にわたり,3種のマダラテントウ類Epilachna(4地点)と2種のジンガサハムシ類Aspidomorpha(2地点)の個体数変動を記録した.(7)ボゴール植物園において,ダイフウシホシカメムシMelamphaus faberとそれを専食するニシダホシカメムシRaxa nishidaiの個体数変動を9年間調査した.(8)西スマトラ州の高地の耕作地において,節足動物の個体数動態を3年間調査した.
  • 熱帯域におけるシロアリおよびアリ類の採餌・栄養生態
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1996年 -1998年 
    代表者 : 松本 忠夫; MARYATI M.; 北出 理; 深津 武馬; 近 雅博; 伊藤 文紀; MARYACHI M.; 安部 琢哉; 東 正剛
     
    本研究計画の目的は,熱帯域において著しく繁栄している社会性昆虫の中で、最近に新たな発見がなされ、その採餌行動や餌メニューが特異的なため、学界から注目されている分類群について、自然度の高いスラウェシ島およびマレー半島の山岳部で野外調査である。 平成10年9月にインドネシア国のスラウェシ島の北部地域でシロアリ、食材性ゴキブリ、食材性甲虫、アブラムシ類の調査を行った。 平成11年3月にマレーシア国のマレー半島においてシロアリ、アリ、食材性ゴキブリ、アブラムシ類の広域的な調査を行った。また,サバ州のサバ大学に赴いて,マリヤチ助教授と研究連絡を行った。 調査の現場では、次に記する分類群について採餌行動、社会構造、餌メニューの詳細などの調査を行った(カッコ内は調査担当者)。地衣食のコウグンシロアリ属(松本)、高等シロアリ類(松本,加藤)、下等シロアリ類(北出)、食材性ゴキブリ(松本、前川、近)、食材性甲虫(近)、アリ類の生活と密接に関係したアブラムシ類(深津)、アリ類(伊藤、広沢)。
  • 原始的アリ類における社会構造の多様性とその意義
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1996年 -1996年 
    代表者 : 伊藤 文紀
     
    西南日本に分布する各種ハリアリ類の社会構造を、営巣場所などの生態的特性とともに調査した。合計7属11種(Amblyopone silvestrii,Discotyrea sauteri,Proceratium itoi,P.japonicum,P.watasei,Hypoponera nubatama,H.sauteri,Cryptopone sauteri,Ponera komoku,P.japonica,Brachyponera chinennsis)のコロニーが採集された。これらの属は、Amblyopone属を除くと、従来働きアリによる受精・産卵は報告されていない。今回の調査でも発見できなかった。また、いずれの種類も働きアリの受精嚢は消失していた。ただし、鹿児島県以南に分布するツシマハリは、近縁の東南アジア産種の社会構造を考えると、働きアリが受精産卵していてもおかしくないが、今回の調査では確認できなかった。既に報告されているが、H.nubatamaでは有翅女王と無翅女王が繁殖していた。コロニー内の産卵女王数は、A.silvestrii,H.nubatama,B.chinennsisは多女王制であったが、他の8種は単女王制コロニーしか採集できなかった。女王アリと働きアリの卵巣小管数は多くの種でカスト間に差がなく6〜8本だが、Hypoponera属2種とB.chinennsisでは働きアリの卵巣が消失していた。またB.chinennsisの女王は24〜26本の卵巣小管を持ち、受精嚢も巨大であることが明らかになった。繁殖個体の分散という点に注目すると、3種の多女王制種は分散せず巣に居残る個体がいると考えられるが、それぞれの生息地は森林、林縁部も含めた森林、河川敷と多様で、生息地の環境との明瞭な関係は明らかではなかった。
  • 多女王制アリ類の女王間における繁殖をめぐる競争の発生要因
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1995年 -1995年 
    代表者 : 伊藤 文紀
     
    ムネボソアリ属の数種についてコロニーの社会構造と女王間行動を調査した。北海道産のタカネムネボソアリでは、多女王コロニーが約40%をしめていた。多女王コロニーはいずれも主な産卵個体がただ1個体である機能的単女王制であった。女王間の行動を6コロニーで合計約260時間観察したところ、3コロニーで頻繁な攻撃的行動が観察された。そのうち2コロニーでは直線的な順位関係が認められ、第1位の個体だけが産卵していた。攻撃行動がまったく観察されなかった3コロニーのうち、2コロニーは受精個体が1個体だけで、その個体が産卵しており、未受精女王は全く産卵せず働きアリのような行動をしめした。残りの1コロニーでは女王間で攻撃行動は見られなかったが、働きアリが卵巣の発達した女王を追い出し、その後別の女王が産卵を開始した。いずれのコロニーでも働きアリと主産卵者以外の女王が低い頻度で産卵したが、そのほとんどは主産卵者である女王や働きアリによって食卵された。女王間の血縁関係はまだ推定していないが、ヨーロッパにおける同種の研究から、母娘、姉妹などの血縁集団であることは確実である。北海道ではどの個体群でも機能的単女王制で、機能的多女王制コロニーはいまだに発見されていない(調査コロニー数300以上)。これらの事実と観察結果を考え合わせると、コロニー内の産卵者個体数は女王間の血縁関係や生態的条件に影響されず、常に機能的単女王制であるが、攻撃行動の頻度や強度が血縁関係などに影響されている可能性が高い。本種の研究結果については現在ドイツ行動学会誌Ethologyに投稿中である。ハヤシムネボソアリでは約40%が多女王コロニーで、すべてが機能的多女王制であった。本種ではエサ条件を操作し利用可能な資源量が女王間の繁殖をめぐる競争に及ぼす効果を調べたが、エサ量とは関係がなかった。
  • インドネシアにおける昆虫個体群の長期動態
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 1993年 -1994年 
    代表者 : 中村 浩二; ヌルジト W.A.; ハサン N.; 伊藤 文紀; 曽田 貞滋; 西田 隆義; 中野 進; 木村 正人; 片倉 晴雄
     
    1.調査地 インドネシアのジャワ島のボゴール(西部ジャワ州.多雨であるが弱い乾季がある),プルウォダディ(東部ジャワ州.明瞭に乾雨季が交代する少雨環境)と,スマトラ島のパダン周辺の4地点(スマトラ西部州.後述)に調査定点を設定し,植食性昆虫類の個体群の長期動態(とくに個体群サイズと死亡要因の季節変動)を調査した. 2.バナナセセリ (1)スマトラ西部州内において,パダン(海岸地帯,非常に多雨で,乾雨季の区別なし),スカラミ(海抜1000メートル,多湿),シチウン(内陸部,海抜200メートル,乾季がある),ランバタン(海抜500メートル,小雨,強い乾季あり)でも調査し,環境条件と本種の個体群動態の関係を調べた. (2)野外から採取した卵,幼虫,蛹を飼育して,一次寄生者には6科12種のハチ類(コマユバチ科,アシブトコバチ科,トビコバチ科,ヒメコバチ科,コガネコバチ科,ヒメバチ科)と4種のハエ類(ヤドリバエ科,ニクバエ科,ノミバエ科),二次寄生者には6種のハチ類(コマユバチ科,アシブトコバチ科,ヒメバチ科,ヒメコバチ科,カタビロコバチ科)を記録した. (3)パダンとシチウンでは,バナナセセリの個体数は,約50日間隔で規則的に増減し,1年に7-8世代を繰り返した.両地とも個体数の増加につれて世代の不連続性はより明瞭になった.パダンでは,個体数と雨量には相関はなかったが,シチウンでは,乾季に個体数が減少し,雨期に個体数が増加した. (4)両地とも,ハチ類による寄生率は,卵に40-60%,幼虫,蛹の50%以上に達し,主な死亡要因であったが,寄生率には季節変動が少なく,雨量やバナナセセリの密度との明瞭な関係も検出されなかった. 3.マダラテントウ類 (1)E.emarginataに近縁の1種 本種はツル性の雑草Mikania(キク科)を食草とする.1990年にボゴール植物園内の数カ所の食草群落を調査地点として,すでに4年間にわたりセンサスを行った.(調査地全体の)成虫の個体数は数匹から90匹まで大きく変動した.個体数変動と降雨量には,正の相関が見られた.1991年後半の干ばつ時には,個体数が減少し,雨期の再開につれては再び増加した.食草群落ごとの個体数変動が同調したので,降雨の影響の重要さが示唆される.寄生蜂は,卵の約25%,蛹の12%を殺したが,寄生率は個体群密度や降雨量の変動とは,明瞭な関係がなく,ほぼ一定であった. (2)E.vigintioctopunctata(ニジュウヤホシテントウ) ボゴール,プルウォダディ,スカラミでナス科半低木であるSolanum torvumを食草とする野外個体群を調査した.(1)ボゴールでは,雨期に個体数が増加し,乾季に減少した.(2)プルウォダディでは,5-6ヶ月間の乾季には食草場から姿を消した.卵の寄生率は約9%であった.(3)スカラミでは,1991年12月から約3年間のデータが蓄積されている.ここではやや大型のE.enneastictataと食草上で共存している.ニジュウヤホシテントウの成虫数は,3年間のうち1992年5-6月頃と,1993年4-6月頃の2度ピークを形成した.一方E.enneastictataの成虫個体数は,つねに低密度であった. 4.ジンガサハムシ類 ヒルガオ科のIpomoea carneaを食草とするAspidomorpha miliarisとA.sanctaecrucisの野外個体群を,ボゴールとプルウォダディで調査した.ボゴールでは,食草を植え付けたときには多く発生したが,その後時間経過とともに個体数は減少した.食草には葉が十分にあるにもかかわらず,ジンガサハムシの密度が低い原因は不明であるが,食草の化学成分の変化である可能性が高い.プルウォダディでは,乾季に個体数が減少し,雨期には回復した. 5.ボゴール植物園内において,ササラダニの1種を飼育し,食べるアリ(カドフシアリの1種)が,調査メンバーの伊藤文紀により発見された.このアリは巣のなかで家畜を飼うようにこのダニを世話し,ダニはアリの巣から隔離されると生存できぬことがわかった.
  • 侵入害虫アリの生態
  • アリ類の生活史と社会構造の多様性に関する研究
  • Diversity of life history and social organization in ants

委員歴

  • 2007年   日本昆虫学会   評議員   日本昆虫学会
  • 1994年 - 2001年   日本蟻類研究会   幹事   日本蟻類研究会

その他のリンク

researchmap



Copyright © MEDIA FUSION Co.,Ltd. All rights reserved.