「現代思想」と政治―マルクス主義・精神分析・政治哲学を軸とする歴史的・理論的研究
日本学術振興会:科学研究費助成事業
研究期間 : 2013年04月 -2016年03月
代表者 : 市田 良彦; 小泉 義之; 長原 豊; 佐藤 淳二; 立木 康介; 王寺 賢太; 田中 祐理子; 佐藤 隆; 布施 哲; 沖 公祐; 信友 建志; 廣瀬 純; 中山 昭彦; 上田 和彦; 佐藤 吉幸; 藤井 俊之; 箱田 徹; 崎山 政毅
日本で「現代思想」と呼ばれ、1960年代以来フランスを中心に展開されてきた構造主義・ポスト構造主義の思想潮流を、「政治」との関連で再定義した。現在、文化研究方法論や文献注釈の対象として受容されている「現代思想」は、我々の観点からすれば、マルクス主義(資本主義批判)・精神分析(主体の地位の再審)・哲学(上記二契機の可能的出会いの探究)という三つの軸の交点における、「政治とはなにか」という問いへの歴史的応答の試みと位置づけられる。また、その共通の試みが、冷戦終結とともに終わることなく、現代の政治観をなお大きく規定し続け、制御困難なグローバル市場下の現状で再浮上していることを理論的に明らかにした。