データハイブリッドなリアクティブプログラムの解析技術と自動合成・説明抽出への応用
日本学術振興会:科学研究費助成事業
研究期間 : 2022年04月 -2025年03月
代表者 : 関 浩之; 小川 瑞史; 結縁 祥治; 橋本 健二
レジスタ計算モデルに関する研究:データ値を扱う計算モデルであるレジスタオートマトン(RA), レジスタ文脈自由文法(RCFG), レジスタ木オートマトン(RTA)の能力を考察するため,それらの表現する言語クラスに対するポンプ補題を証明した.本補題を用い,RA, RCFG, RTAでは表現できない言語の具体例を示した.
RAに対応する論理として,凍結演算子付きμ-計算(μ↓-計算)が知られている.しかしμ↓-計算は表現能力が大きすぎて自動検証への応用は難しい.本研究では,論理積に関する制約(高々一方のオペランドにしか凍結演算子,X以外の時相演算子を含まない)を満たす部分クラスμd↑-計算を定義し,RAとμd↑-計算の表現能力が同一であることを証明した.
ノミナル集合はデータ値の無限集合を群論的に拡張した概念である.本研究では,決定性上昇型ノミナル木オートマトン(DBNTA)を定義し,DBNTAに対する対話型学習アルゴリズムを提案した.ノミナル集合上の適切な半順序を定義し,2つの軌道有限集合間にこの半順序に関する無限鎖が存在しないことを示すことで,提案アルゴリズムの停止性を証明した.
重み付きモデルに関する研究:多重文脈自由文法(mcfg)は文脈自由文法(cfg)の自然な拡張である.本研究では,mcfgに重みを導入したwmcfgを定義した.wmcfgは語の組を重みに対応づける関数を表現する.続いて,wmcfgに対する2つの基本問題が多項式時間判定可能であること,wmcfgによって表現される関数のクラスが,基本的な4つの演算に対して閉じていること等を証明した.
重み付きcfg(wcfg)は,cfgに重みを導入した計算モデルである.本研究では,トロピカル半環上の無あいまいwcfg, 有限あいまいwcfg, 多項式あいまいwcfg, および,一般のwcfgの間に,表現能力に関する真の階層関係が存在すること等を証明した.