研究者データベース

岩部美紀 (イワブ ミキ)

        
    医学部 医学科 
  • 教授
Last Updated :2025/04/24

研究者情報

学位

  • 博士(医学)(2004年03月 香川医科大学(現・香川大学))

科研費研究者番号

  • 70392529

J-Global ID

研究キーワード

  • metabolism   diabetes   obesity   exercise   adipokine   receptor   aging   metabolic syndrome   

研究分野

  • ライフサイエンス / 医化学
  • ライフサイエンス / 病態医化学
  • ライフサイエンス / 代謝、内分泌学
  • ライフサイエンス / 栄養学、健康科学
  • ライフサイエンス / スポーツ科学

経歴

  • 2024年04月 - 現在  東京大学大学院医学系研究科客員研究員
  • 2024年04月 - 現在  香川大学医学部教授
  • 2017年09月 - 2024年03月  東京大学大学院医学系研究科特任准教授

学歴

  • 2000年04月 - 2004年03月   香川医科大学(現・香川大学)   大学院医学系研究科

研究活動情報

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 全身電子皮膚による人間のデジタル化
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年12月 -2029年03月 
    代表者 : 染谷 隆夫; 松尾 豊; 川原 圭博; 津本 浩平; 岩部 美紀; 横田 知之; 李 成薫; 福田 憲二郎
     
    今年度は、全身e-skinの長期駆動に向けて、電力供給の検討を行った。まず、安全かつ体全体に適用可能なワイヤレス電力供給システムの開発に取り組んだ。具体的には、給電コイルの3次元配線パターンによる電磁波伝搬のシミュレーションを行い、人が着用した際に人体への電磁波曝露を抑制するための設計を行った。次に、全自動横編み機を用いて3次元のテキスタイル型プラットフォームを製造した。3次元コイルとして市販の伸縮導電糸を用い、服と同時にコイルの配線を編み込むことで、無線で電力を転送可能な全身e-skinを作製することに成功した。さらに、テキスタイル型コイルの導電性を高めるために、液体金属を活用したチューブ状の導電性配線を開発し、50以上のQ値が得られることを確かめた。液体金属の配線をテキスタイルe-skinに適用するために、トンネル型の配線部を設計し、全自動横横編み機で作製したe-skinに液体金属の配線を実装することに成功した。最終的に、国際安全基準に準拠しつつ、25%の無線転送効率を得ることに成功し、テキスタイル型コイルにより、数ワットの電力を無線で供給することができるようになった。また、高効率かつ安定な超柔軟有機太陽電池の開発にも取り組んだ。有機半導体活性層にアルゴンプラズマ処理を施すことで、ダメージを与えず正孔輸送層と有機半導体界面での接着強度を上昇させることに成功した。その結果、有機太陽電池の機械的耐久性と駆動安定性が劇的に向上し、1000回の繰り返し伸縮試験後に91.0%以上の変換効率、500分の連続駆動において89.3%以上の変換効率を保持できることを確認した。
  • 食事に起因する大腸癌における慢性炎症による病態進展メカニズムの解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 岩部 美紀
  • 新規アディポネクチン受容体結合タンパク質の機能解析と生活習慣病治療への応用
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 岩部 真人; 山内 敏正; 岩部 美紀
  • 食事誘導性の大腸癌発症メカニズムの解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 岩部 美紀
     
    わが国の悪性新生物による死因は、全死因の28.5%を占め、大腸癌の死亡率は、男性で3位、女性で1位である。この大腸癌の発症・進展には食事などの環境因子が与える影響が非常に大きいが、その詳細なメカニズムは未だ多くが明らかになっていない。本課題では、新たに作製した生理活性物質ISPP1の欠損マウスの解析を行い、ISPP1の発現・分泌低下を介した食事誘導性の大腸癌発症メカニズムの一部を明らかにした。
  • アディポネクチン受容体研究の新たな展開と認知症抑制・健康長寿実現への応用基盤研究
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 門脇 孝; 岩部 美紀; 岩部 真人; 山内 敏正
     
    アディポネクチン及びその受容体(AdipoR)の作用が肥満に伴い低下することにより、メタボリックシンドローム・2型糖尿病・動脈硬化症が引き起こされる。本課題では、AdipoRの新規シグナル伝達機構の全容とAdipoRの糖脂質代謝・細胞ストレス改善における生物学的意義を解明し、受容体研究のブレイクスルーを目指した。認知症・動脈硬化症などの糖尿病合併症抑制に繋がる創薬基盤研究を推進した。
  • 全ゲノム情報に依る日本人型糖尿病発症原因解明とiPS細胞を用いた診断・治療法開発
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2018年04月 -2021年03月 
    代表者 : 山内 敏正; 岩部 真人; 岩部 美紀
     
    2型糖尿病感受性遺伝子領域のバリアントの機能解析を行った。同一遺伝子領域の2つが異なる組織・遺伝子の発現調節する例を示した(Nature 2020)。クロマチン免疫沈降シーケンスを行い、FOXA2結合部位への集積を見出した(Nat Genet 2020)。GP2バリアントが2型糖尿病と膵癌両方の分子機序となり得る事を示した(Nat Commun 2020)。アジア人特徴的PAX4バリアントを膵β細胞に発現させると立体構造変化により小胞体Caシャペロン等標的遺伝子発現に異常をきたす事を示した (HGV 2021)。iPS細胞にゲノム編集を加え、バリアントの糖尿病標的細胞での機能解析も行った。
  • 健康長寿のための普遍的代謝調節経路の包括的・発展的研究
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年 -2019年 
    代表者 : 門脇 孝; 門脇 孝; 山内 敏正; 岩部 真人; 岩部 美紀
     
    本研究課題では、健康長寿のための普遍的代謝経路の解明とその実現への方法論を確立することを目的とした。寿命延長効果をもたらす高等生物に適したカロリー制限の科学と方法(栄養素の量と質)を明らかにすることに成功し、健康長寿を制御する普遍的シグナルを同定した。さらに、代謝制御経路を基盤にした健康長寿実現に向けた科学と方略の確立を目指し、前臨床として、糖尿病治療薬・健康長寿薬の開発候補品の選抜に成功した。
  • 生活習慣病の予防を目指した次世代機能性健康食品の開発に向けた検討と解析
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2018年03月 
    代表者 : 岩部 美紀; 岩部 真人; 山内 敏正; 門脇 孝
     
    新規生活習慣病予防法を確立すべく、野菜・果物やその加工品を対象として、アディポネクチン/AdipoR作用を標的とする次世代機能性食品の開発に繋がる科学的エビデンスの構築を目的とした。培養細胞を用い、抗生活習慣病効果を有する植物素材・有効成分の同定を行った。さらに、生活習慣病モデル動物を用い、素材・有効成分の血糖降下作用を検討した(論文投稿準備中)。さらに、急性毒性、長期投与を行い、食品開発可能性を検討した。
  • アディポカインによる腸内細菌叢制御の生活習慣病における病態生理的意義の解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年06月 -2017年03月 
    代表者 : 山内 敏正; 岩部 真人; 岩部 美紀; 門脇 孝
     
    高脂肪食により生活習慣病が発症するメカニズムを免疫細胞と実質細胞の相互作用レベル、さらに腸内細菌叢、腸内代謝産物にも着目して、解明することを試みた。高脂肪食、アディポネクチンとその受容体AdipoRの低下、AdipoRの活性化、AdipoR欠損マウスの腸内細菌叢の無菌マウスへの移植等の影響の解析を行った。AdipoRの低下で炎症、酸化ストレス等が増加し、腸内細菌叢、腸内代謝産物を変化させ、脂肪肝、NASH、動脈硬化が増悪、逆にAdipoRの活性化で抑制出来る可能性を見出した。
  • アディポネクチン受容体を標的とした構造ベース創薬に向けた基盤技術の創出と確立
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2014年04月 -2017年03月 
    代表者 : 岩部 美紀; 岩部 真人; 山内 敏正; 門脇 孝; 横山 茂之
     
    我々は、肥満に伴って、脂肪細胞から分泌される生理活性物質アディポネクチンが低下し、全身でのアディポネクチン/その受容体AdipoRの作用低下が、生活習慣病激増の主因であることを明らかにしてきた。我々は、世界初・日本発のAdipoR活性化薬のシーズとなる低分子化合物の取得に成功した。本課題では、最難関であったAdipoRの立体構造解析に成功した。AdipoR活性化低分子化合物のシーズ化合物を構造展開し、細胞及び個体レベルでの抗糖尿病作用を検討し、既存のAdipoR活性化低分子化合物より、高活性かつ特異性が高く、安全性の高い開発候補品を取得し、最適化を行った。今後の新規糖尿病治療薬の開発に繋げる。
  • 新規糖尿病感受性遺伝子による脂肪蓄積制御機構の解明とエピゲノムの意義
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2011年04月 -2015年03月 
    代表者 : 脇 裕典; 岩部 真人; 岩部 美紀; 山内 敏正
     
    2型糖尿病・肥満疾患感受性遺伝子としてゲノムワイド関連解析で同定されたCDKAL1は、その発現が脂肪細胞の分化や肥大化や肥満度により制御されており、脂肪蓄積の抑制因子であることを明らかにした。脂肪細胞のアディポネクチンの転写に関わるPPARγのリン酸化との明らかな関連を認めなかったが、PPARγや脂肪分化の抑制因子であるWnt、βカテニン経路を活性化した。肥満・脂肪細胞肥大におけるアディポネクチン低下に関わるプロモーター領域を同定した。その領域に転写因子Heb1が結合し、転写制御に関わることを明らかにした。肥満に伴う脂肪細胞内の代謝ストレスシグナルが、Heb1の発現を制御していた。
  • アディポネクチン受容体の抗動脈硬化作用メカニズムの解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2012年04月 -2014年03月 
    代表者 : 岩部 美紀
     
    わが国で死因の上位を占める心血管疾患の主要な原因であるメタボリックシンドローム・2型糖尿病は、激増しており、その主因が肥満に伴うアディポネクチン/アディポネクチン受容体(AdipoR)シグナルの作用低下であることを明らかにしてきた。一方で、アディポネクチンは血管において抗動脈硬化作用を有するが、その作用におけるAdipoRの意義及びその詳細なメカニズムについては、明らかとなっていない。本研究課題では、動脈硬化発症に重要な組織である血管内皮およびマクロファージにおけるアディポネクチン/AdipoRの細胞内シグナルを明らかにし、AdipoRの抗動脈硬化作用メカニズムを明らかにした。
  • 内皮細胞におけるインスリン情報伝達経路(インスリン受容体基質)と動脈硬化
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2005年 -2006年 
    代表者 : 窪田 哲也; 岩部 美紀; 窪田 直人; 門脇 孝; 窪田 哲也
     
    我々はこれまでに2種類のインスリン抵抗性モデル動物、インスリ受容体基質(IRS)-1欠損マウス、IRS-2欠損マウスのいずれにおいても動脈硬化が促進されるが、同程度のインスリン抵抗性、メタボリックシンドロームにもかかわらず、IRS-2欠損マウスの方がその程度が大きいことを報告した。このメカニズムの1つとして血管内皮細胞では主にIRS-2蛋白が発現しており、この内皮細胞におけるIRS-2が動脈硬化抑制に作用している可能性が示唆された。そこで我々は、IRS-2の血管内皮細胞における役割を解明するために、IRS-2flox/floxマウスと血管内皮特異的に発現しているTie2Creマウスを交配し、血管内皮特異的IRS-2欠損マウスを樹立した。まず、血管病変に注目し解析したところ、インスリン刺激後の内皮依存性血管弛緩反応が減弱し、血管内皮機能障害と高血庄が認められた。実際、単離培養した血管内皮細胞において、インスリン刺激後のeNOSのリン酸化が有意に低下していた。このマウスでは、IRS-2欠損マウスで認められた肥満や脂質代謝異常は認められなかった。しかし驚くべきことに、このマウスではインスリン抵抗性と耐糖能異常が認められた。インスリン抵抗性の責任臓器を明らかにするために、グルコースクランプを施行したところ、骨格筋のインスリン抵抗性を認め、実際、グルコースクランプ後の骨格筋におけるAktのリン酸化が有意に低下していた。骨格筋のインスリン抵抗性のメカニズムを明らかにするために、グルコースクランプ後の骨格筋の血流を測定したところ、このマウスでは有意に骨格筋の血流が低下しており、このことが骨格筋のインスリン抵抗性を引き起こす一つのメカニズムではないかと考えられた。今後さらに、カフ傷害モデルによる内膜肥厚について検討し、動脈硬化における血管内皮細胞のIRS-2の役割を明らかにする予定である。

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