研究者データベース

荻野祐一 (オギノ ユウイチ)

        
    医学部 医学科 
  • 教授
Last Updated :2026/08/29

研究者情報

学位

  • 医学博士(2007年03月 群馬大学)

科研費研究者番号

  • 20420094

J-Global ID

プロフィール

  • 臨床分野では麻酔全般とペインクリニックが専門。研究は一貫して、いわゆる「脳科学」(90年代のfunctional MRIの発見以降、急速に発展してきたマクロレベルでのヒトを対象とした神経科学技術、脳機能・構造・連絡性解析)に関わり、ポジトロン断層撮影(PET)から脳磁図、MRIに至るまでを用いて、痛みの生理学、社会認知学、病態メカニズム、運動生理学の臨床研究に関わってきた。

研究キーワード

  • ペインクリニック   痛み   脳科学   Brain imaging   

研究分野

  • ライフサイエンス / 麻酔科学
  • ライフサイエンス / 認知脳科学 / 脳科学
  • ライフサイエンス / スポーツ科学 / 脳科学

経歴

  • 2025年10月 - 現在  香川大学医学部附属病院副病院長
  • 2023年08月 - 現在  香川大学医学部麻酔科学講座教授
  • 2016年09月 - 2023年07月  群馬大学 医学部附属病院講師
  • 2007年04月 - 2016年08月  群馬大学助教

学歴

  • 2004年04月 - 2007年03月   群馬大学大学院医学系研究科麻酔神経科学専攻博士課程   Graduate School of Medicine
  • 1992年04月 - 1998年03月   群馬大学医学部   Faculty of Medicine
  • 1989年04月 - 1992年03月   県立浦和高等学校

研究活動情報

論文

書籍

  • 麻酔科医に必要なスキル : テクニカル×ノンテクニカル : 臨床現場に活かすコツ
    駒沢, 伸泰; 荻野, 祐一 (担当:監修) 克誠堂出版 2026年05月 ISBN: 9784771906341 xi, 193p
  • まずはここから 鎮静管理 実況中継!
    駒澤 伸泰; 荻野, 祐一 (担当:監修範囲:)中外医学社 2024年06月 ISBN: 4498056183 128
  • 麻酔科研修 実況中継! 第5巻 術後・ペインクリニック・緩和医療での痛み治療編
    駒澤 伸泰; 荻野, 祐一 (担当:監修範囲:)中外医学社 2023年11月 ISBN: 4498055527 158
  • 痛みの心理学:感情として痛みを理解する
    (担当:編者(編著者)範囲:)誠信書房 2023年03月 ISBN: 441430024X 160
  • 痛みのバイオマーカーとしての機能的脳画像診断法
    倉田二郎 (担当:分担執筆範囲:痛みの共感と期待による脳活動)真興交易(株)医書出版部 2020年09月 ISBN: 9784880039299 8,372p
  • 症例問題から学ぶ生理学
    Costanzo, Linda S.; 荻野, 祐一; 門井, 雄司; 鯉淵, 典之; 下川, 哲昭; 堀, 雄一; 丸山, 芳夫; 南沢, 享 (担当:共訳範囲:)丸善出版 2018年12月 ISBN: 9784621303504 x, 388p

講演・口頭発表等

  • Enhanced functional connectivity correlated with weight-loss at pre-match period in professional boxers  [通常講演]
    荻野 祐一
    Neuroscience 2018 2018年11月 ポスター発表
  • Nurses Engage in Emotional Labor: Underlying Their Professional Empathic Neural Mechanism  [通常講演]
    荻野 祐一
    第16回 世界疼痛学会 2016年09月 ポスター発表
  • ORAL REHYDRATION IMPROVES THIRST AND SATISFACTION AND HEALED PAIN-EVOKED ACTIVATION IN THE HUMAN BRAIN.  [通常講演]
    荻野 祐一
    IARS 2015 Annual Meeting and International Science Symposium 2015年03月 ポスター発表
  • SWEET TASTE INDUCED ANALGESIA – AN fMRI STUDY  [通常講演]
    荻野 祐一
    第13回 世界疼痛学会 2010年08月 ポスター発表
  • PT 231 SWEET TASTE INDUCED ANALGESIA - AN fMRI STUDY  [通常講演]
    2010年 ポスター発表
  • IMAGINATION OF PAIN FORMS SUBJECTIVE PAIN REPRESENTATION IN HUMAN BRAIN  [通常講演]
    荻野 祐一
    第12回 世界疼痛学会 2008年08月 ポスター発表

MISC

  • 水抜き減量は硬膜下血腫リスクを高める
    荻野祐一 BOXING BEAT(ボクシング・ビート)2025年10月号 75 -75 2025年09月 [招待有り]
  • タスクシフトの本質
    麻酔 74 (8) 485 -485 2025年08月 [査読有り][招待有り]
  • 心拍変動解析および圧受容体反射感受性測定を行った敗血症性ショックの1例
    京嶋太一朗; 武田敏宏; 小川純; 菅原友道; 浅賀健彦; 荻野祐一 ICUとCCU 49 (7) 2025年
  • 巻頭言:薬物依存になるのはなぜか,ならないためにどうしたらよいか
    荻野祐一 臨床麻酔 48 (2) 119 -120 2024年 [招待有り]
  • Fibromyalgia rapid screening tool (FiRST) を使用した顎関節症と線維筋痛症の鑑別 - 顎関節症群から線維筋痛症はdetectできるのか -
    小杉謙介; 荻野祐一; 齋藤繁; 横尾聡 ペインクリニック 38 (5) 657 -662 2017年
  • 麻酔と意識
    荻野 祐一; 川道 拓東; 齋藤 繁 麻酔 65 (5) 489 -494 2016年05月
  • 痛みの情動的側面の解明 痛み、感情から社会的関係性 脳科学的考察
    荻野 祐一; 川道 拓東; 齋藤 繁 日本ペインクリニック学会誌 22 (3) 308 -308 2015年06月
  • 痛みの「見える化」脳科学を使った慢性痛への挑戦
    荻野祐一; 杉峰里美; 川道拓東; 小幡英章; 齋藤繁 慢性疼痛 33 29 -32 2014年
  • 術後に覚醒不良から意識不明状態に陥りPRESを疑われた症例
    田中満里恵; 荻野祐一; 齋藤繁 臨床麻酔 37 775 -778 2013年
  • 「慢性痛リハビリテーションプラン」を開催して
    木村 雅文; 荻野 祐一; 戸部 賢; 肥塚 史朗; 小幡 英章; 齋藤 繁; 宮本 梓; 鈴木 英雄; 塚本 昇; 藤田 尚; 大高 洋平; 酒井 晃洋 Journal of Musculoskeletal Pain Research 4 (2) 90 -90 2012年10月
  • 経皮的磁気刺激は前帯状回および下降性抑制系の変調を抑止し慢性痛を改善する
    石川浩三; 山本悟; 三浦大輔; 掛田崇寛; 荻野祐一; 石川敏三 日本慢性疼痛学会プログラム・抄録集 41st 2012年
  • 荻野祐一; 小幡英章; 肥塚史郎; 戸部賢; 関本研一; 齋藤繁; 木村裕明 ペインクリニック学会誌 19 (4) 1 -5 2012年
  • 内田慎也; 荻野祐一; 齋藤繁 日本臨床麻酔学会誌 31 678 -84 2011年
  • 慢性痛の分子化学的機序と臨床薬理学
    Obata H; Ogino Y Masui. The Japanese journal of anesthesiology 59 Suppl S54 -61 2010年11月 [査読有り]
  • 脳から見た痛み|up to date
    Ogino Y Masui. The Japanese journal of anesthesiology 58 Suppl S160 -7 2009年11月
  • 黒田茜; 荻野祐一; 齋藤繁 日本臨床麻酔学会誌 29 (3) 300 -4 2009年
  • 痛みと情動
    荻野祐一; 齋藤繁 ペインクリニック 30 914 -21 2009年
  • エアウェイスコープ®の意外な死角 –口蓋裂傷後、気道浮腫を来した症例-
    荻野祐一; 内山和彦; 蓮見充啓; 二宮洋; 富岡昭裕; 齋藤繁 麻酔 57 (10) 1245 -1248 2008年10月 [査読有り]
  • 痛みの感情側面と感覚認知 Emotional component of pain and human pain perception
    荻野祐一; 斉藤繁; 根本英徳; 後藤文夫; 乾幸二; 柿木隆介 日本ペインクリニック学会誌 15 1 -6 2008年
  • 写真見て連想・・・痛い!
    朝日新聞 2007年05月
  • 痛みの内的体験?心で痛みを感じる仕組み Innerexperience of pain? The mechanism we can feel pain in our mind.
    荻野祐一; 根本英徳; 斉藤繁; 後藤文夫; 乾幸二; 柿木隆介 臨床脳波 (49) 424 -7 2007年
  • 痛みの内的体験?どうして心は「痛む」のか?「神経内科」Inner experience of pain? the reason we feel pain in our mind.
    荻野祐一; 齋藤繁; 後藤文夫; 乾幸二; 柿木隆介 Neurological Medicine 67 416 -9 2007年
  • 痛みの脳メカニズム
    Ogino Y; Goto F Masui. The Japanese journal of anesthesiology 55 Suppl S71 -6 2006年11月
  • 脊椎グリアの活性化と感覚過敏 (誌上抄読会)
    小幡英章; 櫻澤忍; 伊藤奈穂美; 肥塚史郎; 荻野祐一; 入内島伸尚; 高澤知規; 根本英徳; 西川光一; 門井雄司; 齊藤繁; 國元文生; 後藤文夫 臨床麻酔 29 (12) 1957 -62 2005年

受賞

  • 2023年06月 公益社団法人 日本麻酔科学会 山村記念賞
     脳画像解析を用いた神経plasticity研究
  • 2017年06月 日本麻酔科学会第64回学術集会 最優秀演題賞
     プロボクサーの試合前後における脳密度変化と脳ネットワーク解析:スポーツ脳科学研究
  • 2015年10月 日本臨床麻酔科学会 小坂二度見記念賞
     脱水状態と痛み感覚の脳機能画像に関する臨床研究
  • 2006年06月 (社)日本麻酔科学会 若手奨励賞
     「ヒト痛覚の体部位再現−脳磁図を用いて」 JPN

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • プロボクサーの脳内運動ループ強化とボクサー認知症に関わる因子の探索
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 四方田 了平; 荻野 祐一
  • 非器質的疼痛の抗うつ薬治療前後における脳構造・機能ネットワーク変化
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 荻野 祐一
  • プロボクサーにおける試合前の運動機能向上と脳機能・構造画像の相関解析
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2021年04月 -2024年03月 
    代表者 : 熊倉 みなみ; 荻野 祐一
     
    我々は、職業的ボクシング選手(プロボクサー)において、体幹運動を制御する脳内の運動ループ(大脳皮質運動野から基底核に至るループ状回路)が試合前に強化されていることを、脳画像解析によって明らかにした。次なる展開として「運動ループ回路の強化がプロボクサーの定量的な身体運動能力向上と相関する」という仮説を検証する。プロボクサーを対象に試合前1ヵ月前と試合直前(1週間以内)における運動機能測定と脳画像(磁気共鳴画像)を測定し両者の関係を調べる。併せて、試合前には減量を行う事から、空腹度や心理的ストレス測定を実施しする。また試合1ヵ月後も脳画像を取得し、選手生命を左右する慢性外傷性脳症(ボクサー認知症)の発症要因リスクを探索し、競技の安全性向上を目指す。本研究の最終目的は、プロボクサーの試合前トレーニング戦略の最適化、安全性向上に、脳科学的見地からエビデンスを加えることである。
  • 「認知性疼痛」病態/治療における脳の構造/機能ダイナミクス(横断・縦断研究)
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 荻野 祐一
     
    本研究は原因不明の(器質的原因の明らかでない)非特異的疼痛(認知性疼痛)の病態解明が目的である。ペインクリニック外来において、非定型口腔顔面痛は典型的な認知性疼痛疾患であり、軽微な歯科治療を契機に長引く痛みや違和感を訴えるが、器質的原因が見当たらない興味深い疾患群である。経験的に三環系抗うつ薬投与が有効であるが、その病態と治療機序は不明であるので、その病態をMRIを用いた中枢からのアプローチにより、仮説:「非定型口腔顔面痛の病態は前頭前野の異常興奮にあり(横断研究)、治療の縦断的観察により、前頭前野と帯状回の機能的結合性の正常化(鎮静化)が見られる」を検証する。
    非定型口腔顔面痛は「認知性疼痛」の代表的疾患であり、「臨床的神経学的欠損が見つからないが、3ヵ月以上1日2時間以上持続した毎日繰り返す、様々な症状を伴う顔面または口腔の痛み」と定義されており (国際頭痛分類第3版;.13.11)、血管造影MRI検査により、三叉神経痛とは明確に区別される (Maarbjerg et al. Cephalalgia 2016)。他の「認知性疼痛」の代表疾患である線維筋痛症、顎関節症、舌痛症、過敏性腸症候群、むずむず脚症候群、慢性疲労症候群とともに診断基準が類似、疾患間合併を認め、抑うつ・不安を伴い、女性に好発し、似た治療に反応、という共通した特徴を持つことが、比較的以前から分かっている。
    本年度は治療前後で縦断変化を捉えるため症例数を集積した。未だ中途であるものの、その解析を進めている。中途報告として国際頭痛学会(アムステルダムにて2020年8月開催予定)に演題を投稿したが、コロナウイルスの世界的パンデミックにより次年度へと延期が決定した(開催時期未定)。
  • 痛み治療のための再生医療の開発:細胞移植技術と徐放製剤を活用した新規アプローチ
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    研究期間 : 2016年04月 -2020年03月 
    代表者 : 齋藤 繁; 荻野 祐一; 高澤 知規; 田畑 泰彦; 須藤 貴史; 久保 和宏
     
    新規の実験手法も導入して慢性疼痛治療開発につながる下行性抑制メカニズムの解明を試みた。大脳皮質から脊髄後角への局所抑制回路では、脊髄後角I層およびII層外側のGABA系統が重要であるが、II層内側より深部ではグリシンが重要であると報告しているものを再確認した上で、神経障害性疼痛のモデル動物の脊髄、青斑核、その投射系の細胞活動について行動生理学的、薬理学的に検証した。 行動実験:疼痛閾値の測定では、様々な薬剤を投与した上で、Paw-pressureテストを用いラットおよびマウスの実験を行った。機械的侵害刺激を動物の後肢に与え、逃避した時の圧を逃避閾値として算出した。
  • 慢性痛(脳機能障害性)の中枢メカニズムをMRIで解明する研究
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2016年04月 -2019年03月 
    代表者 : 荻野 祐一
     
    「MRI(magnetic resonance imaging)を用い、器質的原因の不明な慢性痛(Central dysfunctional pain: 脳機能障害性痛)の脳内メカニズムと神経変性を、脳科学的に明らかにする」という「計画目的」を果たすべく、研究成果を、国際学会と学術論文として発表を行った(Neuroscience 2018 [第48回 北米神経科学学会];荻野、他「機能が変わると構造も変わる - 痛みと脳可塑性」2018)。
  • 共感的態度のバイオマーカーの探索とカウンセリングにおける有効性評価
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2016年04月 -2018年03月 
    代表者 : 川道 拓東; 菅原 翔; 小池 耕彦; 荻野 祐一
     
    共感的態度は、他者の感情を理解し受容的な態度を示す、カウンセリングにおける重要な技法の一つである。本研究では、dual-fMRIを用いて、20組の同性の初対面のペアを対象にして意見開示課題を実施した。結果として、共感的態度と関連して、右下前頭野と右側頭頭頂結合部の機能的結合性の増強が見られた。さらには、職業上、共感的態度を呈することを求められる医療労働者を対象に安静時fMRIを用いた実験的検討を実施した。結果として、右前頭極と線条体の結合性が対照群と有意に異なることを確認した。これらをまとめると、共感的態度のバイオマーカーとして前頭葉と他の領域の機能的結合性の評価が有用である可能性を示した。
  • 慢性痛の脳をMRIで探索し、メカニズムと予測因子を明らかにする
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2013年04月 -2016年03月 
    代表者 : 荻野 祐一
     
    MRI(VBM解析)を用いて、われわれは慢性痛患者12人を対象に様々なアンケート調査(主観的評価)を行った。MRI撮影を行い、アンケート結果とMRI画像解析結果の相関関係を探った。主観的評価として主に神経障害性特性を表すPain DETECT Questionnaire (PD-Q), Pain Catastrophizing Scale (PCS) のスコアをとり、VBM結果で灰白質容積を測定し、その相関をとった。睡眠の質,腰痛に関する簡易問診票,年齢,性別の要素で重回帰分析を実施したところ,Pain Detectのみ、島と後帯状回の膨張と強い相関を認めた。
  • 痛みの性差と鎮痛機序-fMRI研究
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2010年 -2011年 
    代表者 : 荻野 祐一
     
    ヒト成人における甘味誘発鎮痛 (sweet-substance induced analgesia : SIA) 効果のメカニズムをfunctional MRI : fMRIを用いて全容解明を試みた。甘味摂取時の疼痛脳活動は、無味摂取時の脳活動反応に比して抑制された。甘味摂取後、眼窩前頭野と腹側線条体の活動が検出された。甘味による鎮痛効果は確かに存在し、痛み関連脳領域の活動も、甘みによって抑制されている。甘味摂取時の眼窩前頭野と腹側線条体の活動は、SIAのメカニズムに報酬系の脳活動を介したドーパミンの分泌、下行性抑制系賦活の関与を強く示唆する。
  • 栄養因子の双方向性制御による神経再生促進法の開発:新規DDSとsiRNA
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2008年 -2010年 
    代表者 : 齋藤 繁; 荻野 祐一; 田畑 泰彦
     
    神経再生の環境設定と複数栄養因子同時投与の可能性について研究を進展させた。血糖コントロールと組織再生に関する解析は一定の成果が得られ、神経の正常な再生に最適な組織液環境としては正常の血糖濃度域が最適で、多くても少なくても不適であることが証明された。DDS(drug delivery system)に関して、シート体の徐放形態を開発し、その効果を判定した。現在、臨床への応用に向かって準備を進行中である。
  • なぜ抗血栓薬が痛みに効くのか-MRIで迫る鎮痛機序の解明
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2008年 -2009年 
    代表者 : 荻野 祐一
     
    世界初となる氷を用いた痛覚刺激は、申請者である荻野が開発したものであり、自身によって計3日間かけて実施され、事故もなく安全に終了することができた。今回、人間を対象にした極めて実際的な研究であり、その結果(蔗糖誘発鎮痛のメカニズムが脳内事象であること)はすぐ臨床現場につながることとなり、社会的影響も大きい。現在、以上の研究結果は英国神経科学誌 NeuroReportにおいて印刷中(in press)である。 我々は2007年に、「痛み」が感情であることを、極めてシンプルな方法で証明した(Cerebral Cortex 2007)。痛みを連想させるような画を見て、自分の痛みとして、痛みを想像してみる。誰でも注射のような痛みを受けた経験と記憶があるので、容易に痛みを想像することが出来る。この脳活動を、fMRIを用いて計測したところ、実際に侵害刺激を末梢組織に与えた場合の痛み関連脳領域とほぼ同様の領域の活性化を認めた。「痛み」はユニークな脳活動を呈する、一つの独立した感情活動と言える事を証明した。 「甘みで癒される」ことは経験的によく理解できることだが、実は、心だけでなく身体的な痛みも癒されることを我々は最近のfMRI研究によって示すことに成功した。痛み刺激を加える前に、甘みを摂取すると、主観的な痛み・甘味による情動変化と共に、痛み関連脳領域の活動が小さくなることを見いだした(英国神経科学誌 NeuroReportにおいて印刷中、PubMed ID: 20220542)。では、なぜ甘味が、痛み受容に影響するのであろうか? 過去のラットの文献からは下行性抑制系に関する内因性オピオイドの関与が示唆されている。残念ながら、我々はこのメカニズムについては確証を得ることが出来なかったが、甘味摂取時には、やはり報酬系領域の活動を認めることから、同領域のドーパミン性、内因性オピオイド性の活動から脳幹下行性抑制系の活動につながり、痛み体験の修飾を生じている可能性を推察している。根拠は、MRIの技術を基にしたDiffusion tensor imagingという最新手法を用いて、大脳皮質と脳幹部の間に解剖学的な連絡があることを、生きているヒト脳において示された報告があることで、大脳高次からtop-downで脳幹部に機能的に痛みを修飾していることを支持する。味覚のうち、鎮痛作用があるのは甘味のみであるようだが、心地よい香りにも気持ちの変化と共に、鎮痛作用が明示されている(22)。報酬系領域は、下行性抑制系と共に今後最も注目され、研究対象となるであろう。 我々が行った甘味誘発鎮痛の研究においては、被験者に甘味誘発鎮痛に関する情報を隠蔽 maskしていないことにより生じる期待効果を誘発している可能性が排除できない。最近のfMRI研究によると、宗教心による鎮痛効果(placebo効果と同様、LPFC領域と脳幹部の活動)も客観的に示されている。つまり、われわれ人間の場合には、同じ下行性抑制系を発動させるにしてもラットとは異なり、どうしても(人間ゆえに)より高次機能の影響・統御を強く受けながら生きているのではないだろうか。
  • 「痛み」は人の脳でどう伝わるか?-脳磁図で迫る痛覚メカニズム
    日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2006年 -2007年 
    代表者 : 荻野 祐一
     
    1.平成18年度に得られた研究知見と、平成19年度研実施計画に沿って実施した結果をまとめ、Cerebral Cortex誌に掲載された。以下に概要を示す:侵害刺激に反応して活動する大脳皮質領域,いわゆる痛み関連脳領域が明らかとなったが,実際の痛みを与えられなくても、痛みをイメージした時には類似の脳部位が活動するという仮説を実証するため,私たちは痛そうな写真(注射をされている写真など)を被験者に見せ,機能的MRIで脳活動を計測した.その結果,痛覚認知に関与する脳領域の血流が有意に上昇する事を発見した.痛みの感情により生じる脳活動は,痛み関連脳領域の主要活動を占めており,暗示や瞑想などにより,侵害刺激による痛み関連脳領域の活性化と抑制が起こり,痛覚認知が強く影響されていることが明らかとなった.また、平成18年度に購入した刺激装置、表皮内電気刺激方法(日本光電製)を、脳磁図を用いて、健常者におけるカプサイシンクリームの痛覚伝達に対する検討課題を実施。カプサイシンクリーム塗布部はVisual Analogue Scoreの上昇とともに、脳の痛み関連領域の活動も上がるという結果が得られた。従来の報告では慢性期の報告しか無く、今回の急性期の結果により、痛み関連脳領域の重要性が明確になった。 2.ヒトの脳のイメージング研究自体、その研究結果の社会的影響は大きいと考えられ、社会に向けて以上の研究結果を発信した。痛みの感情面と脳内機序についての研究成果として、新聞各紙、共同通信、NHK(5/1おはよう日本)等で配信された。

その他のリンク

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