【耳鼻咽喉科領域と慢性炎症】頭頸部がんと炎症(解説)
星川 広史(香川大学 医学部・医学系研究科耳鼻咽喉科学) (担当:分担執筆範囲:12巻1号)星川 広史(香川大学 医学部・医学系研究科耳鼻咽喉科学) Bio Clinica 2023年06月 300 4
頭頸部がんの発生においては,外的要因(喫煙やアルコールによる刺激や口腔内細菌叢の関与)と内的要因(発がん物質による遺伝子変異,アセトアルデヒドによる染色体異常,DNAのメチル化と修復障害,パピローマウイルスによる悪性化への形質転換)が合わさって慢性的な炎症状態を形成し,炎症促進性のサイトカインによる細胞増殖,転写因子の活性化,遺伝子変異の誘発を促進することでがん組織の形成にいたる。がん微小環境における様々な炎症細胞,免疫細胞の作用のバランスは極めて複雑であり,抗炎症薬による頭頸部癌の予防や生存率の改善は今後の検討を要する。