油谷知岐 (アブラタニ トモキ)
情報化推進統合拠点 |
知的学習支援システムに関する研究領域では,テクストに記載された事柄のより精緻な理解を促すことを目掛け,学習者の理解構造を捉える学習者モデルの構成法が提案されてきた.一方で,学習対象領域について,わかったつもりになっているが,物事の背景や意義といったテクストには明記されていない事柄も読み取るスキルに目掛け,学習目標設定の妥当性・洗練への意識を促すことを狙いとする学習者モデルは検討されていない.そこで本研究では,学習者がわかったつもりになりながらも,何を学習目標化できている/できていないのかを捉える学習者モデルを検討する.具体的には,学習者がセマンティクスアウェアなプレゼン教材と学習目標語彙を用いて,プレゼンテーション課題に取り組む状況を設定する.プレゼン教材には,学習者が目にする学習トピック情報と計算機処理可能な情報に非対称な構造を持たせ,陽に記載されていなくとも学習者が読み取るべきと考えた学習内容と,読み取れなかった学習内容を区別して学習者モデルとして構成する手法を提案する.