心理職養成における多文化カウンセリング能力訓練プログラムの開発
Japan Society for the Promotion of Science:Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
Date (from‐to) : 2020/04 -2023/03
Author : 谷渕 真也
先行研究から収集した多文化カウンセリング能力 (以下,MCC)の測定項目について,地域の支援活動の日本人スタッフらと,地域社会に暮らす外国人家族の心理支援に必要な技能という観点から協議を行った。養成課程の学生の段階では,心理面接や心理査定で求められる能力を測定する従来の尺度項目を用いることが適当ではない可能性や,地域に暮らす外国人,とりわけ日本の公立学校に通う外国人児童生徒を具体的に想定した態度・知識・スキルを検討する必要性が明らかになった。そこで,養成課程の学生にとってより具体的で実践的なMCCを測定する尺度を作成するため,以下の方針で改めて測定項目を検討した。(a) 生活場面に存在する自他の文化の特徴やバイアス,文化的障壁に気づく態度を測定する,(b)地域で暮らす外国人家族,とりわけ日本の公立学校に通う外国人児童生徒を取り巻く状況に関する知識を測定する,(c) 生活場面での文化的障壁に対処するスキルを測定する。
現在作成中の訓練プログラムでも,(a),(b),(c)の観点で参加者の能力と効力感を同時に高める内容を検討する。