成体新生ニューロンによる神経活動依存的な回路再編機構とその生理的意義の解明
日本学術振興会:科学研究費助成事業
研究期間 : 2016年04月 -2019年03月
代表者 : 坪井 昭夫; 高橋 弘雄; 吉原 誠一
申請者らはこれまでに、匂い情報を処理している嗅球介在ニューロン(傍糸球細胞と顆粒細胞)の中でも、顆粒細胞のサブタイプが発達する際に、1回膜貫通型糖蛋白質5T4を匂い刺激に応じて産生することにより、樹状突起の枝分れを促進して、匂いを感じる度合いを高めていることを明らかにした(J Neurosci 36, 8210, 2016)。そこで本研究では、5T4遺伝子を欠損した顆粒細胞のサブタイプでは、他の神経細胞と間のシナプス結合が減少しており、その結果、匂いの検出感度が100倍も低下し、2種類の全く異なる匂いを識別できないことを明らかにした(J Neurosci 36, 8210, 2016)。