移住労働者とその家族の国際人権保護基準に基づいた法基盤整備の総合的研究
日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究期間 : 2019年04月 -2022年03月
代表者 : 薬師寺 公夫; 坂元 茂樹; 小畑 郁; 北村 泰三; 徳川 信治; 戸田 五郎; 西井 正弘; 飛田 雄一; 古屋 哲; 前田 直子; 水島 朋則; 有江 ディアナ; 杉木 史帆; 内田 晴子
本研究は、①国連移住労働者権利条約やILOの関連諸条約等の国際基準、経済連携協定等の国際約束と対比した関連国内諸法令の比較研究を行い、 ②地方公共団体を含む在留・労働実態との比較検討を行い、 ③在留外国籍者を「移住労働者とその家族」として受け入れる法制度のあり方について、国際人権保障の観点から理論的課題を明確にし、地方公共団体レベルでの課題提起を行うことを目的とする。2020年度は前年度の研究成果を踏まえて、1.国連移住労働者権利条約、ILO諸条約の実施状況の分析、欧州人権条約、シェンゲン協定、欧州連合における移住者関連条項の実施状況の分析 2.日本の法令との対比、3.出入国管理制度、外国人労働者受け入れ政策と2019年導入の新しい入国管理・在留制度の分析 4.技能実習制度などの実態分析 5.地方公共団体の役割と機能の分析の5本の柱をたてて、検討を進め、分担者を2名補充した。
2020年1月以降のCOVID-19のまん延、4月に緊急事態が発令されるに至り、技能実習制度をはじめ人の移動自体が止まる事態に直面し、国際シンポジウムの開催、対面での研究会等が実施不可能になる中、上記5つの柱の4については人の移動の制限と災害時対応に差し替えるなど、5月の研究計画で2020年度の研究計画を一部組み替える緊急対応を行った。研究会も当初予定していた年10回の対面開催はできなかったがオンライン研究会に切り替えるなどの対応をして9回の研究会を開催し、それらの成果の一部は、研究分担者の業績に掲げるとともに、本計画終了後刊行を予定している書籍に収める予定である。国際シンポジウムは当初予定の形では開催できなくなったが、2021年に延期することにした。一部に遅れは出たが、基本的に3年計画に沿って研究を進めている。