研究者データベース

園部裕子 (ソノベ ユウコ)

        
    経済学部 経済学科 創発科学研究科 創発科学専攻 
  • 教授
Last Updated :2025/04/24

研究者情報

学位

  • Diplôme d'études approfondies (DEA)(Université Paris 7 Denis-Diderot)
  • 修士(学術)(東京大学)
  • 博士(学術)(2011年05月 東京大学)
  • Diplôme approfondi de langue française (DALF)

J-Global ID

研究キーワード

  • 社会学   国際社会学   国際移動   ジェンダー   アフリカ出身移住者・移民   女性移住者   移民   難民   ヨーロッパ   フランス   フランス社会   アフリカ   フランス語圏アフリカ   マリ   

研究分野

  • 人文・社会 / 社会学 / 国際移動
  • 人文・社会 / 社会学 / EUの移民・難民政策
  • 人文・社会 / 社会学 / フランスの移民・難民統合政策
  • 人文・社会 / 社会学 / 民族・エスニシティ
  • 人文・社会 / ジェンダー
  • 人文・社会 / 地域研究 / フランス
  • 人文・社会 / 地域研究 / フランス語圏西アフリカ

経歴

  • 2015年06月 - 現在  香川大学経済学部(人文社会科学系)教授
  • 2022年09月 - 2023年08月  一橋大学大学院社会学研究科・社会学部非常勤講師
  • 2017年04月 - 2019年03月  日本貿易振興機構アジア経済研究所「アフリカにおける女性の国際労働移動」研究会委員委員
  • 2008年05月 - 2015年06月  香川大学経済学部准教授
  • 2014年 - 2015年  パリ・ドゥニ・ディドロ大学社会科学研究院CESSMA客員研究員
  • 2007年 - 2008年  香川大学経済学部講師
  • フランス政府給費留学生(Boursier du Gouvernement Français)
  • 独立行政法人日本学術振興会, 特別研究員PDPost Doctoral Fellow
  • 財団法人日本学術振興会特別研究員DC2

学歴

  •         -   東京大学   総合文化研究科   地域文化研究専攻博士課程(小地域フランス)
  •         -   パリ第7大学   UFR GHSS   Migrations et relations interethniques
  •         -   東京外国語大学   外国語学部   フランス語学科
  •         -   東京大学   総合文化研究科   地域文化研究専攻修士課程(小地域フランス)

所属学協会

  • 日本社会学会   日本アフリカ学会   関東社会学会   難民研究フォーラム   国際開発学会   移民政策学会   

研究活動情報

論文

  • Yuko Sonobe
    Japanese Journal of Sociology 1 - 15 2025年03月 [査読有り]
  • Les aides à domicile d’origines africaines en région parisienne : déclassement et difficile professionnalisation
    Yuko SONOBE
    Kagawa University Economic Review 96 3 161 - 196 2023年12月 [査読有り]
  • 欧州共通庇護政策とジェンダー主流化:ヴァルネラブルな移民・難民の救済をめぐる言説と実践
    園部裕子
    難民研究ジャーナル 12 24 - 37 2023年04月 [招待有り]
  • Sub-Saharan African Women Confronting French Biopolitics
    SONOBE Yuko
    KAGAWA University Economic Review 94 4 71 - 95 2022年03月
  • フランスにおけるケア労働の「専門化」と旧植民地アフリカ出身女性労働者――移住による「下方移動」と職業経験認定制度VAEによる資格取得
    園部裕子
    大原社会問題研究所雑誌 757 46 - 62 2021年11月 [査読有り]
  • FGMを理由とする難民認定と西アフリカ出身女性―2000年代以降の背景について―
    園部裕子
    アフリカにおける女性の国際労働移動-中間成果報告書 25-38頁  2018年03月
  • フランスの女性移住者による地位交渉のジェンダー化:難民認定基準におけるジェンダー主流化とFGM
    園部裕子
    香川大学経済論叢 90 1 111 - 137 2017年07月
  • シア・バターをめぐる協働労働と女性の地位 : 西アフリカ・マリの女性による生産組合の現状と課題
    園部 裕子
    香川大学経済論叢 88 3 291 - 315 香川大学経済学会 2015年12月
  • フランスの社会的排除・失業対策と移住女性 : パリ市における「経済活動による社会編入支援組織(SIAE)」と移住女性アソシアシオンの連携を事例に
    園部 裕子
    香川大学経済論叢 (細川滋教授追悼号) 85 4 489 - 516 香川大学経済学会 2013年03月
  • 移住女性と在宅労働における「社会的上昇」の(不)可能性ーパリ市と郊外における「職業経験認定制度(VAE)」の申請支援を事例に
    園部裕子
    『仏独伊における移住家事・介護労働者ー就労実態、制度、地位をめぐる交渉』 31-59  2012年03月
  • アフリカ系女性移住者の「自立」と「連帯」——フランス・パリ市ZUS地区における社会・文化的仲介と市民団体活動——
    園部裕子
    2010年05月 [査読有り]
  • フランスの西アフリカ系移民一夫多妻婚世帯と女性の地位--パリ市における社会・文化的仲介団体の事例から
    園部 裕子
    フランス文学 27 65 - 79 日本フランス語フランス文学会 中国・四国支部 2009年06月 [査読有り]
  • 西アフリカの移民「志願者」による越境とEUの共通移民政策--スペイン領セウタ,メリリャ,カナリア諸島をめぐる攻防
    園部 裕子
    香川大学経済論叢 81 4 639 - 659 香川大学経済学会 2009年03月
  • 「承認」を求める仲介と活動資本としての言語--フランスにおける西アフリカ出身女性仲介者の経歴分析から (特集 移民と言語(1))
    園部 裕子
    ことばと社会 11 93 - 120 三元社 2008年 [査読有り]
  • 女性仲介者の語りにみるフランスの移民政策の変容
    園部 裕子
    香川大学經濟論叢(渡邉英夫教授記念号) 80 2 225 - 263 香川大学 2007年09月
  • 「人を助ける」という生き方—西アフリカ系女性仲介者のライフストーリー
    園部裕子
    レゾナンス 4 167-177, 229-231  2006年 [査読有り]
  • フランスにおける地域政策と移住者:「地域市民権」の問題を中心に
    園部裕子
    EU地域政策の展開と地域の文化・言語問題の実態 125 - 135 2003年
  • 園部 裕子
    年報社会学論集 2003 16 65 - 77 The Kantoh Sociological Society 2003年 [査読有り]
  • フランスにおける移民女性研究の現在とその争点
    園部 裕子
    年報地域文化研究 5 186 - 208 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻 2001年 [査読有り]

書籍

  • UP Plus「暴力」から読み解く現代世界
    (担当:共著範囲:フランス語圏アフリカの「女性に対する暴力」:マリの女性性器切除(FGM)を中心に)東京大学出版会 2022年06月 ISBN: 9784130333047 201 167-178
  • アフリカ女性の国際移動
    児玉, 由佳; 石井, 洋子; 網中, 昭世; 佐藤, 千鶴子; 須永, 修枝; 園部, 裕子 (担当:共著範囲:第6章 サブサハラ・アフリカからフランスへの女性の移動と滞在資格 ――家族統合/非正規滞在/FGMを理由とする庇護申請を中心に――)アジア経済研究所 2020年03月 ISBN: 9784258046416 vii, 308p 257-304
  • フランスの西アフリカ出身移住女性の日常的実践 : 「社会・文化的仲介」による「自立」と「連帯」の位相
    園部, 裕子 (担当:単著範囲:)明石書店 2014年02月 ISBN: 9784750339528 448p

講演・口頭発表等

  • マリの女性によるシアバター生産組合  [通常講演]
    園部裕子
    日本アフリカ学会第58回学術大会、広島市立大学(オンライン開催) 2021年05月 口頭発表(一般)
  • 「移住家事労働者の労働実態と資格による地位向上の可能性—フランスにおける旧植民地アフリカ出身女性の事例から」  [通常講演]
    園部裕子
    第93回日本社会学会大会テーマセッション(14)「移住家事労働者研究の現在と未来」(セレクションあり) 2020年10月 口頭発表(一般)
  • フランスにおける多文化共生の実態とそのゆくえ—西アフリカ出身移住者の事例から  [招待講演]
    園部裕子
    香川県国際交流協会主催「ワールドレクチャーシリーズ」第2回 2020年10月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • フランスの西アフリカ出身女性の日常とその課題  [招待講演]
    園部裕子
    香川県国際交流協会主催「シニアのためのアイパル国際カレッジ」第5回 2018年10月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • フランスにおけるアフリカ出身女性の日常とその課題  [招待講演]
    園部裕子
    香川県国際交流協会主催「シニアのためのアイパル国際カレッジ」第5回 2017年09月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • フランスにおける「アフリカ系移民女性」について  [招待講演]
    園部裕子
    香川県国際交流協会主催「シニアのためのアイパル国際カレッジ」第5回 2016年09月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • アフリカの人々と私たち——シア・バターにみる「グローバル化」と「ローカル」な視点  [通常講演]
    香川大学アドバンスト・セミナー 2015年
  • Les aides à domicile d'origines étrangères en France : des travailleuses hors normes  [通常講演]
    SONOBE Yuko
    Journées d’études : Le travail hors normes 2014年11月 口頭発表(一般)
  • 歴史的関係性に根ざした相互理解と都市へのインパクト  [通常講演]
    香川大学EU情報センター開設30周年記念公開シンポジウム『「欧州文化首都」にみる地域の魅力発信とは 2013年11月 シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
  • EU加盟国における介護・家事労働市場と移住女性:フランスの事例から  [招待講演]
    園部裕子
    神戸大学主管EUIJ関西主催「2013年夏合宿」講演 2013年 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • 西アフリカ出身女性移住者による地位交渉のジェンダー化——2000年代フランスにおけるFGMを理由とする難民申請の事例から  [通常講演]
    第85回日本社会学会大会 2012年11月 口頭発表(一般)
  • 雇用による社会編入と西アフリカ出身女性 ——パリ市における女性移住者団体と編入支援市民団体の連携を中心に——  [招待講演]
    第6回国際社会学研究会 2011年12月 口頭発表(招待・特別)
  • 移民女性の就労実態と語学・職業訓練——パリ市と郊外における職業経験認定制度(VAE)の受験支援を事例に  [通常講演]
    仏独伊における移住家事・介護労働者——就労実態、制度、地位をめぐる交渉 2011年
  • EUの移民政策と途上国からの移民—フランスの事例から  [招待講演]
    第31回EUiセミナー 2010年06月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • フランスにおける介護・家事労働と移民女性の職業訓練—パリ市内・社会編入支援団体の事例から  [通常講演]
    香川大学国際研究支援センター研究会シリーズ 第1回 「ケアの現場における国際協働に向けて:移民介護労働の日仏比較」 2010年
  • フランスにおける「対人サービス(SAP)」と移民女性(4)——「在宅介護員」の職業訓練とアフリカ系女性の就労実態  [通常講演]
    第83回日本社会学会大会 2010年
  • パリのアフリカ人女性  [招待講演]
    香川日仏協会文化セミナー 2009年10月 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
  • フランスの西アフリカ系女性移住者:仲介者と団体利用者の地位と権利  [通常講演]
    第一回国際移動とジェンダー研究会 2009年
  • 自発的活動から国家の「承認」を求めて——フランスにおける西アフリカ出身女性仲介者の活動経歴にみる移民の「参加」  [通常講演]
    第80回日本社会学会大会 2007年
  • 西アフリカ系女性移住者の地位と社会的権利—一夫多妻婚世帯への支援活動を事例に—  [通常講演]
    フランス語フランス文学会中国・四国支部2007年大会 2007年
  • フランスにおけるマイノリティの社会的権利—移民女性結社の事例から  [通常講演]
    第73回日本社会学会大会 2000年

MISC

  • 香大発・多文化共生プロジェクト2022年度報告書
    園部裕子 香川大学経済論叢 96 (3) 217 -229 2023年12月
  • 香大発・多文化共生プロジェクト2021年度報告書
    香川大学経済論叢 95 (4) 111 -124 2023年03月
  • (書評)工藤晴子『難民とジェンダー』
    園部裕子 社会学評論 73 (4) 475 -476 2023年03月 [招待有り]
  • (書評)牛久晴香『かごバッグの村——ガーナの地場産業と世界とのつながり』昭和堂、2020年、366ページ
    園部裕子 アフリカ研究 (99) 38 -42 2021年07月 [査読有り]
  • (翻訳)孤独な者のバレンタイン——現代に生きる独身者たちをめぐって
    Romain Huret 日仏文化 (90) 103 -116 2021年03月
  • マリの女性とシアの木ーシア・バター生産組合による生活改善と女性の地位向上ー」(3)
    園部裕子 在マリ日本国大使館ホームページ「マリ情報」(http://www.ml.emb-japan.go.jp/itpr_ja/mali_joho.html) 2016年06月
  • マリの女性とシアの木ーシア・バター生産組合による生活改善と女性の地位向上ー」(2)
    園部裕子 在マリ日本国大使館ホームページ「マリ情報」(http://www.ml.emb-japan.go.jp/itpr_ja/mali_joho.html) 2016年02月
  • マリの女性とシアの木ーシア・バター生産組合による生活改善と女性の地位向上ー」(1)
    園部裕子 在マリ日本国大使館ホームページ「マリ情報」(http://www.ml.emb-japan.go.jp/itpr_ja/mali_joho.html) 2015年11月
  • フランスとマリをつなぐ女性のアソシエーション
    園部裕子 Mネット (146) 22 -23 2012年
  • 翻訳 僕はハレド・ケルカル--テロ容疑者になった移民の若者のライフストーリー
    Kelkal Khaled; ロホ ディェトマール; 園部 裕子 香川大学経済論叢 82 (1) 169 -191 2009年09月
  • フランスの移民政策と移民女性の団体活動─「承認」をめぐる交渉と仲介
    園部裕子 Mネット (2007年5月号) 10 -11 2007年
  • 希望という名の勇気—センベーヌ・ウスマン『モーラーデ(庇護権)』によせて
    園部裕子 レゾナンス (4) 34 -35 2006年
  • "L'espoir", source du "courage": Sembene Ousmane Moolaadé
    園部裕子 Résonances (4) 34 -35 2006年
  • Vivre pour aider les autres: des récits de vies des médiatrices d'origine africaine
    SONOBE Yuko Résonances (4) 167-177, 229-231 2006年
  • 「語る」ことと社会参加—女性移住者の潜在能力と団体活動の機能についての試論
    園部裕子 レゾナンス (2) 89 -90 2004年
  • 国民国家、福祉国家の変容:アフリカ系女性移住者の連帯がもたらすもの
    園部裕子 レゾナンス (1) 114 -115 2003年

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • フランス語圏西アフリカ・マリのジェンダーに基づく暴力と女性の主体的な地位向上活動
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2022年04月 -2025年03月 
    代表者 : 園部 裕子
  • 結婚の歴史再考――フランスの事例から見る(ポスト)結婚、生殖、親子、家族
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2020年04月 -2024年03月 
    代表者 : 増田 一夫; 原 和之; 園部 裕子; 小門 穂; 長谷川 まゆ帆; 尾玉 剛士; 森山 工; 佐藤 朋子; 伊達 聖伸; 藤岡 俊博
     
    初年度である2020年度は、同性婚合法化にいたる過程、および合法化を受けての生命倫理法改正を研究の二大焦点と位置づけて、研究をスタートさせた。 年度前半は、コロナ禍によって研究条件は深刻な制約を受けた。キャンパスへの入構および図書館の利用が制限され、対面による海外研究者との意見交換が実質的に不可能となった。教育の場での対応にも追われた。メンバー同士では対面方式を断念し、遠隔会議システムを用いて夏までは非公式の打ち合わせをおこない、9月初旬に正式のスタートアップ研究会を開催した。その後、11月、2月、3月、さらに2021年度へ課題を繰り越すことが認められたため、翌年5月、8月(2回)と全体研究会を重ねた。 初年度では、法社会学、家族法の専門家であり、同性婚合法化において主導的役割を果たしたイレーヌ・テリーの著作Mariage et filiation pour tous. Une metamorphose inachevee (Paris, Seuil, 2016)(邦訳『フランスの同性婚と親子関係』(明石書房、2019年))を出発点とした。その研究書の多角的な読解および他の研究との接続を通じて、特に20世紀中葉以降の結婚、セクシュアリティ、家族、生殖をめぐる議論や実践の変遷をたどり、各メンバーの専門分野からの視点で意見交換をおこなった。また、同性婚合法化に不可欠であるジェンダー間の平等をテーマに、ラファエル・リオジエ教授(エクス=アン=プロヴァンス政治学院教授)を囲んで遠隔方式のラウンドテーブルを開催し(2021年7月)、2021年度8月末までに初年度の実施計画をほぼ遂行した。 それ以降の期間では、野辺陽子氏(日本女子大学准教授)を招いて日仏の家族観における血縁や「自然」の考え方、ベロー教授(社会科学高等研究院)との国際研究集会で日仏のジェンダー論争と生殖医療などを取り上げ、問題を深く共有することに努めた。
  • 移民受入れ国-送出し国の政策相互連関――国際社会学からの比較研究
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    研究期間 : 2019年04月 -2022年03月 
    代表者 : 小井土 彰宏; 北川 将之; 森 千香子; 宣 元錫; 惠羅 さとみ; 園部 裕子; 上林 千恵子; 堀井 里子; 定松 文; 平野 恵子; 眞住 優助; 柄谷 利恵子; 伊藤 るり; 塩原 良和; 鈴木 江理子; 飯尾 真貴子
     
    2019年度は、移民受け入れ国の政策のみならず送出し国との相関という新たな視点で研究を推し進めるために、15名の研究分担者をはじめとする研究組織で問題意識を高めることを重視した。このために、7月、9月に研究会を実施したうえで、1980年代後半から受入れを開始し移民政策に関して後発的であるという点で日本と比較可能なスペインから代表的な研究者3名と世界的に著名な移民研究者を招聘し、4つのセッションからなる国際シンポジウムを11月に開催した。このシンポジウムには、約200名の人々が参加し、新出入国管理法を受けてのより定住性の高い移民の受け入れに関しての、スペインと日本の対比を中心に、多様な視点で議論がなされ、高まりつつある日本の移民政策についての関心に具体的な形で政策の総合化の必要の認識を促すことができた。他方、2019年度調査としては、小井土がアメリカ合衆国とメキシコの国境でのトランプ政権による急激な移民・難民規制の強化の影響をティファナ市をフィールドとして実施する一方、受入れのロサンゼルス市やその郊外地域での規制の強化を調査した。また、飯尾(一橋大学社会学研究科博士課程)がカリフォルニア州内陸地帯の規制により強制送還された人々の家族のその後の状況を調査した。また、恵羅・上林らはベトナムを訪問し、その技能実習生送り出し機関での訓練の実態と団体を取り巻く利害状況を調査した。平野は、インドネシアにおける家事労働者や介護人材の育成とその国内への流し込み制度回路について調査を行った。以上より、関連分野への発信と研究連携への口火を切る一方、実証的に各地域での政策相互依存の実態解明への橋頭保づくりを行った。鈴木は、日本国内の地方における新入管法以降の多文化共生に関しての政策変動について調査を進めた。
  • 西アフリカの女性による創発的組織活動:マリのシアバター生産共同組合による地位変容
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
    研究期間 : 2016年04月 -2020年03月 
    代表者 : 園部 裕子
     
    現地マリの政情が悪化しつつあり、南部地域についても外務省による渡航中止勧告が発令されているため、現地調査を実施できなかった。そのため昨年度までに収集した、連帯経済と西アフリカの女性の組織化、女性の地位の変容についての文献から基礎的知識の整理および、現地情勢について情報収集を行った。 マリ南部のバンバラ人村落を対象とする事例報告から、1970年代以降に首都人口の増加と食料などの新たな需要の増加にともない、近郊農村でも首都向けの菜園生産の開始や薪の需要増など、経済活動の変化がみられたことが分かった。これらの地域は、シアバター生産者の居住地域とも重なっているため、都市人口の増加にともなう社会的・経済的変化がシアバターの生産と需要にどう影響したのかを知る手がかりになると考えられる。 また、2018年にシアバター生産者への開発支援プロジェクトが開始され、支援元は複数化、多国籍化していることが分かった。 なおマリ南部では、北部紛争後の武器等の流入拡大および、過激派組織のリクルート活動がさかんになり、付随して住民や民族間での対立が見られるようになっている。2018年から2019年には激しい衝突も起きており、南部地域の政情が住民生活や経済活動にどのような影響を及ぼすのかも含めて、引き続き検討する必要がある。
  • 「フランスの西アフリカ出身移住女性の日常的実践」
    日本学術振興会:科学研究費補助金(研究成果公開促進費・学術図書刊行用)
    研究期間 : 2013年04月 -2015年03月
  • EU統合下の移住女性とケアの政治――仏独伊の事例を手がかりに
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 伊藤 るり; 定松 文; 小ヶ谷 千穂; 園部 裕子; 中力 えり; 宮崎 理枝; 森 千香子; ミリヤナ モロクワシチ=ミューラー; 篠崎 香子; 村上 一基
     
    対象3ヵ国では、移住家事労働者は大多数が女性で、労働法上も移民法上も非正規の立場に置かれることが多い。フランスでは、家事労働に特定した移民受入プログラムはない一方で、対人サービス政策が、間接的かつ限定的に、移住家事労働者の就労をフォーマル化し、移住女性の社会統合を促進する。ドイツとイタリアでは、EUの東方拡大が生み出す域内移動空間の二元化のもとで、ケア分野でのインフォーマル雇用の増大と階層化が生み出されている。ヨーロッパ・レベルでは、対人ケア・サービスの産業化に向けた試みがみられるが、その効果は依然限定的である。
  • フランスの「エスニック化」と旧植民地出身女性移住者の社会編入―日常性の抵抗戦術
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2012年04月 -2015年03月 
    代表者 : 園部 裕子
     
    女性移住者の社会的・経済的地位は、①「アフリカ人」・「黒人」認識のズレ、②政府・社会による「女性移住者=労働者」という位置づけ、③社会編入支援の枠組みにより変容しつつある。1980年代以降「身近なサービス」推進のため、職業訓練と社会的支援をセットにした失業者の社会編入が進んでいる。女性移住者団体はこうした事業体とも連携する。つまり、移民統合・失業者支援という両者の目的が交差する対象に位置づけられる。 公共空間においてはフランス社会側による「アフリカ人」、女性移住者らによる「黒人」という二つの表象が地位を措定している。彼女たちが自らを「黒人」と呼ぶのは「白人」集団との相互作用の場においてである。
  • 仏伊独における移住家事・介護労働者-就労実態、制度、地位をめぐる交渉
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(A)
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 伊藤 るり; 定松 文; 小ヶ谷 千穂; 園部 裕子; 中力 えり; 篠崎 香; アニャ コルダシェヴィッチ; エヴァ ケピンスカ; 村上 一基; エフティミア マクリドゥ
     
    本研究では、フランス、イタリア、ドイツ3ヵ国における移住家事・介護労働者の就労実態、制度上の位置づけ、ならびに地位改善に向けた取り組みの現状について、現地調査を実施し、基礎データを収集した。とりわけ2000年代半ばに「対人サービス」政策を打ち出したフランスの事例を重点的に調査し、同政策が個人家庭に雇用される移住家事・介護労働者の雇用上、ならびに移民法上の地位に与えたインパクトを明らかにした。
  • フランス旧植民地「アフリカ系」女性移住者の社会編入-越境する女性の地位向上戦略
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(B)
    研究期間 : 2009年 -2011年 
    代表者 : 園部 裕子
     
    旧植民地サブサハラ・アフリカ出身の女性移住者らは、「女性性器切除(Female Genital Mutilation :以下FGMと略)」はじめ出身社会の規範的習慣に対抗するとともに、2000年代には受け入れ側の移民政策の厳格化に直面している。そのため市民団体のネットワーク形成により、送出国への人道支援、啓発運動を行っている。2007-2008年には、滞在条件の厳格化により滞在資格を得られない超過滞在の女性のため、調査先団体はFGMからの保護を理由に難民・庇護権申請を行った。聞き取りによるとこの時期、難民資格についての規定改正があり、FGMからの保護を目的とする申請は、難民ではなく「補完的保護」だけを認められることになっていた。この「補完的保護」はごく少数が関係する地位だが、出身社会・受入社会の国境を越え、どちらの国民国家にも帰属しない新たな地位を模索する女性たちが見いだしたトランスナショナルな市民権として捉えられる。
  • フランス移民政策の変容と社会的権利:女性移住者による「承認」をめぐる仲介を事例に
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 若手研究(スタートアップ)
    研究期間 : 2007年 -2008年 
    代表者 : 園部 裕子
     
    フランスにおける移民政策と移民の社会的権利の変容を具体的事例から検討するため、西アフリカ系女性移住者の団体活動において調査を行い、社会編入の実態を分析した。すでに定住した移民住民については、住宅、就職などの社会編入などにおいて、相対的に資本が少ない西アフリカ系女性が困難を抱えており、特に一夫多妻婚世帯の女性は世帯内、受入社会の二つの側面において地位が不安定であることが分かった。さらに2000年頃以降はアフリカ大陸からヨーロッパへの「非合法」的な越境が急増しており、これら新規入国者からも滞在許可証の取得についての相談が急増し、地位の安定化のために新たな戦略が模索されていることが分かった。
  • フランスにおける国民国家・福祉国家と社会的権利の変容過程:女性移住者の連帯を例に
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
    研究期間 : 2004年04月 -2007年03月 
    代表者 : 園部 裕子
     
    前年度に引き続き、社会的権利と行為論、連帯行動に関する社会学文献および資料の収集を行った。また、フランスにおける福祉国家制度と社会的権利付与の原則が、移住者による団体活動や異議申し立ての影響を受けて変容を迫られている実態についての具体的事例を把握するため、フランス・パリ第7大学において平成18年5-8月および10-11月の間、計4ヶ月程度にわたる現地調査を行った。 具体的には、パリ市の都市政策地区で活動する西アフリカ系女性移住者団体について、運営者の同意をえて行ってきた参与観察を継続した。その結果1.2001年以降、外国人の入国と滞在を規定する法律が強化され、移民や外国人が住宅や社会保障にアクセスする条件も厳しくなったことから、安定した生活を確立する上で困難が生じていること、2.帰属を考慮しないフランスの普遍主義の原則にもとづく「差別」対策は、出身や肌の色による差別に対する実質的な対策を行わず、その結果、移民に対する差別を助長してきたという社会学的な議論が定着しつつあり、差別対策のための専門機関が設置されたこと、(3)仲介者は、移民住民の社会編入を日常生活において支援する役割を担っていることが明らかになった。2005年11月の若者による都市暴動は、こうした認識を緊急の政策課題として提起し、都市・統合政策の根本的な見直しを迫った。政府は団体の役割の重要性を認め、補助金の復活と仲介者の人員増を発表した。その結果、調査先団体は、自発的活動から、仲介者契約と補助金を獲得し、当該地域の移民住民の社会編入を担う行為者として、制度上も行政と連携していくことになった。団体運営の通時的な変容過程について具体例を把握したことは、本研究の成果である。そこで調査の結果をまとめ、女性移住者団体の機能の通時的変容を分析する論文を準備するとともに、移民政策の変遷と団体活動の役割についてまとめる小論を投稿した。
  • フランス福祉国家の変容とマイノリティの社会的権利:移民女性結社の機能変容を中心に
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
    研究期間 : 2001年04月 -2003年03月 
    代表者 : 園部 裕子
     
    フランスにおける、西アフリカ出身移民女性による結社活動をつうじた社会的権利行使の実態について、現地調査にもとづく考察を行ってきた。昨年度の参与観察を継続するとともに、現代フランスにおける移住者による団体活動の社会的位相を把握するための文献調査を蓄積した。本年はとくに、大統領選および総選挙における極右政党の台頭、欧州統合の深化、安全保障政策をめぐる議論の高まりなど、移住者の生活とも密接なかかわりをもつ政治・経済・社会各方面における顕著な変動がみうけられた。そのため、社会変動についての議論を収集・検討しつつ、公共性概念をふくめて構造論的に再考するという理論的かつマクロな観点を、参与観察による行為者像の検討というミクロな視点にもとづく考察と統合するという、本研究が一貫して採用してきた方法の実効性があらためて実証された。 その結果、まず、エスニシティ横断的性格、利用者との社会的・物理的緊密さという結社活動の特性が明らかになった。また、行政と地域住民との仲介の現場での参与観察から、妊娠、出産・家庭環境や住居など、女性の「身体」や生活にかかわる問題系を把握できた。これら従来の政治経済的枠組みでは「私的空間」に帰されてきた問題を、母子センターや自治体という公共の場において議論することで、団体活動は、福祉国家制度のもとでの公的・私的空間の境界線を再考に付している。いわゆる社会運動とは異なる日常性にねざす活動の意義がここにある。さらに、複合的な職務形態、利用者とスタッフ間の相互性といった性格は、公的社会サービスの補完的役割を果たし、社会関係の亀裂を修復するという、連帯による身近な社会サービスのモデルとなる可能性をもっている。以上の成果を論文「公的/私的空間の媒介としてのアフリカ系女性移住者による団体活動:パリ郊外A団体の事例から」として投稿するとともに、その梗概を発表(予定)することができた。
  • EU地域政策の展開と地域の文化・言語問題の実態
    日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
    研究期間 : 2001年 -2002年 
    代表者 : 宮島 喬; 若松 邦弘; 伊藤 るり; 原 聖; 定松 文; 竹中 克行; 中力 えり
     
    本研究においては、ヨーロッパの統合のなかにおける地域の自律化の様相をまず確認し、それがEUの地域政策とどのように関連しているかを考察した。次いで、その自律性を増した地域が、独自にどのような地域開発を展開しているかを探り、その地域の発展の条件として文化やアイデンティティがどのように作用しているかを検討した。対象として地域は次の8つである。イングランド(英)、ウェールズ(英)、ワロニー(ベルギー)、ブルターニュ(仏)、アルザス(仏)、コルシカ(仏)、カタルーニャ(スペイン)、南ティロル(伊)。さらに、さまざまな都市問題を抱えつつ、新たな文化の誕生の場となっている都市地域にも注目し、イル・ド・フランス(仏)をも対象とした。 われわれのサーベイの結果では、次のようなことが明らかになった。 1)EUの地域重視政策と地域内在的理由により、多くの地域で分権化が進んでいる。典型的な例はイギリスのイングランド、ウェールズである。 2)またEUの少数文化振興政策の結果、地域のアイデンティティと文化(特に言語)が活性化されている。ウェールズやブルターニュでは、地域のメディア、経済活動、教育のあり方にも影響を及ぼしている。 3)かつて領土的・言語的紛争の地であった地(南ティロルなど)では、<ユーロリージョン>の創設により、文化の平和裏の共存がみられるようになった。 4)一方、都市的地域では、移民やそのマイノリティが多数居住することで、多文化的状況が生まれ、若者たちの新しい芸術活動がみられるとうになっている。これもヨーロッパの新しい地域文化の誕生であろう。

委員歴

  • 2021年07月 - 現在   香川日仏協会   理事
  • 2021年04月 - 2023年03月   香川大学経済学会   『香川大学経済論叢』編集委員会委員
  • 2019年12月   関東社会学会   『年報社会学論集』専門審査委員
  • 2016年04月 - 2019年03月   日本社会学会   『社会学評論』編集委員会専門委員

社会貢献活動

  • 香大発・多文化共生プロジェクト
    期間 : 2021年06月 - 現在
    役割 : 助言・指導
    種別 : その他
  • やさしい日本語講習会
    期間 : 2021年08月04日 - 2021年08月04日
    役割 : 司会
    種別 : セミナー・ワークショップ
    主催者・発行元 : 香川大学経済学部「香大発・多文化共生プロジェクト」
  • 『社会学評論』編集委員会専門委員
    期間 : 2016年04月 - 2019年03月
    役割 : その他
    主催者・発行元 : 日本社会学会
     『社会学評論』の査読
  • シニアのためのアイパル国際カレッジ講師
    期間 : 2017年09月
    主催者・発行元 : 公益財団法人香川県国際交流協会(アイパル香川)
     シニア向け講座の講師
  • シニアのためのアイパル国際カレッジ講師
    期間 : 2016年09月
    主催者・発行元 : 公益財団法人香川県国際交流協会(アイパル香川)
     シニア向け講座の講師
  • 香川大学アドバンスト・セミナー
    期間 : 2015年10月
    主催者・発行元 : 香川大学
     講師
  • (特)海外研修フランス引率
    期間 : 2013年10月 - 2014年03月
    主催者・発行元 : 全学共通科目フランス語受講学生のうち、参加希望者
     引率
  • EU情報センター30周年記念シンポジウム
    期間 : 2013年11月
    役割 : パネリスト
    種別 : 講演会
    主催者・発行元 : 香川大学図書館
     シンポジウム実施委員会のディスカサッサント
  • 香川大学図書館EU資料センターによる駐日欧州本部学生訪問プログラムの引率
    期間 : 2013年04月 - 2013年08月
    主催者・発行元 : 香川大学・駐日欧州代表部
     企画、引率, 上記事業について、学生による駐日欧州代表部訪問プログラムの実施を総括し、引率を務めた。
  • EUIJ関西2013夏合宿における講師
    期間 : 2013年08月
    主催者・発行元 : EUIJ関西
     合宿講師
  • 海外研修(フランス)引率
    期間 : 2012年09月 - 2013年03月
    主催者・発行元 : 全学共通科目フランス語受講学生のうち、参加希望者
     海外研修(フランス)の準備、引率, 海外研修(フランス)の実施のため、研修機関との打ち合わせを行い、事前準備、引率を行った。
  • 駐日欧州連合代表部による第31回EUiセミナー講演
    期間 : 2010年06月
    主催者・発行元 : 駐日欧州連合代表部
     駐日欧州連合代表部による全国図書館EUiセンター職員のための年次総会における講演

その他のリンク

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