教員養成・研修の学びを次世代につなぐ、ICT活用教材と養成・研修プログラムの開発
日本学術振興会:科学研究費助成事業
研究期間 : 2021年04月 -2024年03月
代表者 : 松下 幸司
2~3年次(2022~2023年度)の事前予備研究として、本学教育学部2年次生を対象に、附属小学校のICT活用授業を学生が支援する演習活動「ICT授業支援活動」を組織し、学生を対象にICT活用授業参観を行った。授業参観を行う際、紙媒体にメモをとりながら参観することが通常の方法であるが、予備研究として、学生1人1台タブレットPCを持ち、「授業のポイント」や「疑問点」として見えてきた授業シーンを写真で撮影し記録するよう求めた。授業参観後、自分が撮影した写真を見ながら「授業のポイント」「疑問点」について観点整理することによって、写真を見ずに観点整理する場合に比べ、ポイント・疑問点の項目数が大きく増加し、また整理された観点もより具体的になる傾向が認められた。参観時には写真記録をとるよう指示していたものの、一部、自主的にメモをとろうとする学生の姿も確認された。
このような予備研究結果と学生の姿をふまえ、予備研究に続く本研究においては、タブレットPC上でメモをとりながら音声同期収録できるアプリケーションを用い、授業参観時に学生にメモをとらせるとともに、学生目線で収録した授業映像を学生のメモと同期させた映像情報を準備し、学生のメモ・映像情報をもとに、現職教員に「学習活動のねらい」「環境構成」「支援のねらい」などについて振り返り/解説を求め、学生が捉える「授業のポイント」「疑問点」と現職教員の振り返り/解説を総括した動画教材コンテンツを開発し、教員養成/教員研修において活用するプログラム開発を進めるという研究デザインを整理した。併せて、このような研究デザインとして研究を進めるにあたり、必要な機器/アプリケーション等の整備を行った。